「サラダ自販機」登場 AIで食品ロス削減

KOMPEITOは、AI機能搭載のサラダ自販機「SALAD STAND(サラダスタンド)」の設置を本格化する。同社は野菜の置き社食サービス「OFFICE DE YASAI」を運営する企業で、「つくり手とつかい手を豊かにする」というビジョン実現を目的に、20年11月から自販機を使ったサラダ販売を開始した。現在は試験運用中のため渋谷ソラスタに1台を設置するのみだが、年内に5台ほどの設置を予定。春以降は恵比寿ビジネスタワー、ルミネ有楽町店での稼働が決定している。

サラダには生産者の顔が見える産直野菜を使用し、彩り豊かで食べ応えのある具材をトッピング。「スモークサーモンとチーズの贅沢サラダ」や「蒸し鶏とキヌアの栄養サラダ」など、華やかな見た目と栄養バランスの良さに配慮したメニューで、価格は980円(200g)。メーンの食事としても食べられるボリューム感で、女性だけでなく若い男性も満足できる内容だ。

「サラダスタンド」は自販機としての役割だけでなく、「ダイナミックプライシング」機能が大きな特徴。これは、AIがデータに基づいて商品価格を適宜変動させるという機構で、センサーが自販機周辺の通行量、購入検討者数、年齢や性別の属性データ、天候、時間帯、購買データなどの情報を収集し、最適な生産数と価格を判断。これにともない自販機の表示価格も変動する仕組みだ。

AIセンサーで通行量や購入者の属性などの情報を収集(SALAD STAND(サラダスタンド)) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
AIセンサーで通行量や購入者の属性などの情報を収集(SALAD STAND(サラダスタンド))

自販機の商品・在庫情報はクラウド上での確認や変更が可能なため、ダイナミックプライシングを活用することでフードロスを削減。売れ残りの利益損失といった課題も解決できる。

同社では将来的に専用のアプリケーションを開発し、アプリ上で在庫情報の確認や購入予約できるようにする考え。さらに購入履歴からユーザーの嗜好情報を把握し、適切な購買アプローチを図るという。

現在の稼働状況について担当者は「渋谷という土地柄と、オフィスワーカーのニーズの高さから利用者数は増えている。当初は20~30代の女性をターゲットにしていたが、実際に運用してみると40代以上の男性のニーズも同程度あることが分かった。健康に対する不安が高まる年齢層の要望が増している」と話している。