UCC上島珈琲は2日から6日までポップアップイベント「STORY OF THE REAL COFFEE OMOTESANDO」を東京・ZeroBase表参道(東京都港区)で開催している。
7日から、全国のスーパーなどの小売店やECで新発売される「上島珈琲店」ブランドの家庭用レギュラーコーヒー製品の豆・ワンドリップ(ドリップコーヒー)・粉商品のアピールが目的。
同ブランドを「上島珈琲店」の店舗やEC以外で展開するのは初めてで、コロナ禍の外出自粛で外食チェーンや老舗喫茶店の名前を冠したショップブランド(喫茶店・カフェブランド)の引き合いが強まっていることを受けた動きとなる。
オープンに先立ち1日取材に応じた嗜好品マーケティング部の赤石朋氏は「店頭をみると、豆や粉といったカテゴリー別での展開だけではなくて、ショップブランドでコーヒー棚をつくる動きも多く見受けられる」と語る。
この背景については「お客様がコーヒーを飲みものとしてではなく、コーヒーを淹れる時間や飲んでいるときの寛ぎの時間・空間を楽しみたいというニーズからショップブランドが拡大している」との見方を示す。
他のショップブランドとの差別化については「カフェラテなど洋風イメージを前面に押し出したショップブランドが多い中で、『上島珈琲店』はレトロとモダンが融合した喫茶店寄りのイメージでユニークな価値が提供できると考えている」と胸を張る。
「上島珈琲店」の店舗は、近畿・関東を中心に全国に約100店舗を展開し、ブランド認知度は「調査したところ大手他社のカフェブランドさんレベルにある。店舗がほとんどないエリアでも認知されている」という。
家庭用商品は、「上島珈琲店」のポイントの1つであるストーリー性を打ち出し、創業・産地・焙煎・抽出・シーンの5つのストーリーを楽しめる5種類のブレンドを豆、ワンドリップ、粉の3カテゴリーで取り揃える。
店頭販促に向けてはデジタルサイネージを用意。「設置していただけるところは限られるかもしれないが、動画を流すほか、選びやすい工夫としてタッチパネルを設ける。タッチパネルではストーリーと味わいの2軸で選べるようになっている」と述べる。
そのほかポイントについては、UCCグループのプロフェッショナルが監修した味わいと若手イラストレーターが手掛けたイラストの2つを挙げる。
ポップアップイベントでは、5種類のブレンドの中から1種類を選ぶと、淹れたてが無料で楽しめる。オーダーを受けたスタッフがその場でドリップし、ポップアップイベントオリジナル紙カップに入れて提供する。
加えて先着100人に「上島珈琲店」のワンドリップコーヒー1杯分をプレゼント。試飲後の感想をSNSに寄せると全員に景品がもらえるガチャガチャも用意している。ガチャガチャの中には、一等賞として10万円分の「上島珈琲店PASS」を1日1人分、二等賞として「上島珈琲店」オリジナルマグカップ1日5人分を用意している。
なお5つのブレンドストーリーは以下のとおり。
▽上島珈琲店ブレンド(創業のストーリー):上島珈琲店の創業からの変わぬ味わいや想いをイメージ。バランスのとれた味わいと、甘い余韻、ローストナッツのような香り、ミルクチョコレートを感じる甘みのある後口が特長。
▽Messenger from Far East(産地のストーリー):Far East=極東として、海外がより遠くに感じられていた頃から舶来品であったコーヒーをイメージ。深みのあるリッチな味わいや、ナッツの香ばしさ、キャラメルを感じさせるリッチな味わいが特長。
▽W cracking Deep(焙煎のストーリー):深炒りの合図である第2クロック(焙煎時にコーヒーが2回目に爆ぜたときに発せられるパチパチという音)を待って深く焙煎したコーヒーをイメージ。深炒りで、芳醇な香りとコク、バニラやスパイスの香りとクリーミーなチョコレートのような口当りが特長。
▽Pool N Bloom(抽出のストーリー):ハンドドリップで抽出する際のドリッパーにたまった(=Pool)コーヒーが膨らむ(Bloom=咲く)様子を表現。やわらかな酸味とまろやかな口当たり、柑橘やアプリコットを思わせる酸味、蜂蜜のような甘さが特長。
▽Time to Bed(シーンのストーリー):睡眠前に寄り添うデカフェのコーヒー。香ばしく、マイルドな味わい。ナッツの香ばしさと、ほのかなバニラと黒糖のような甘い余韻が特長。