食べられるスプーンが好調 小さめで子どもでも使いやすい・熱に強くスープに溶けない・食後にカリっとしたスナック感覚が特徴 「PACOON(パクーン)」

 国産の野菜を原料とした食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」が20年10月の発売から累計販売数が19万本を突破するなど好調な広がりを見せている。

 同商品は、社員食堂の運営などを行う愛知県刈谷市の(株)勤労食が、食を通じて食堂を利用する人たちの健康を守ることに加え、環境に配慮した商品を作ろうと20年に地元製菓メーカーと協力して開発し販売しているもの。

 ネット通販、高速道路のサービスエリアなどで販売しているほか、飲食店などでも採用されている。
また食育授業、アウトドア、贈答用など活用の場を広げている。

 「パクーン」は野菜のパウダーをはじめ、国産小麦粉、砂糖、鶏卵を練り込んで加熱し作る。基本のフレーバーは「おから」「抹茶」「ビーツ」「かぼちゃ」「い草」の5種類。
サイズは長さ約10cm、ヘッド部分の幅は約2・5cmと小さめで子どもでも使いやすい。
 熱にも強くスープなどの液体も途中で溶けることがなく、食後にはスプーンをカリッとしたスナック感覚で食べられる。
 賞味期限は製造から180日。
 

食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」のパッケージ - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
食べられるスプーン「PACOON(パクーン)」のパッケージ

 原材料の野菜パウダーは5種類以外でも可能で、地元の食材、廃棄される食材などさまざまなフレーバーを検討している。

 パッケージはそれぞれ紙を使用した個包装で衛生面にも配慮している。

 濱崎佳寿子常務は「パウダー状にできる食品ならなんでもスプーンにできる。野菜が嫌いな人でも食べられ、防災のためのローリングストックにも役立つと思う」と話し「今後は、サイズの異なるタイプや地元食材など需要に合わせた製品も開発し、もっと広げていきたい」と話している。

 今年4月にはスプーンを含むプラスチック製品の削減を求める法律が施行され、代替商品への転換、受け取らない客へのポイント還元、プラスチック製品の有料化などの対応が求められるようになる。
 またSDGsへの取り組みが推進されている中、今後さらに注目が集まっていくとみられる。