漬物界のライバルがタッグ!? 新進・やまう 小学生向け教材を共同制作

福神漬大手の新進とやまうはこのほど、福神漬をはじめとした漬物の認知を広める活動として、小学生向けの教材を共同制作した。漬物業界としては非常に珍しいライバルメーカー2社のタッグであり、今後の業界の情報発信手法にも影響を与えそうだ。

今回2社が制作したのは小学校5、6年生向けの家庭科用副教材で、冊子のタイトルは「日本の伝統的な食について」。日本の伝統的な食の紹介から始まり、日本各地の伝統的な漬物、特に福神漬について詳しく説明している。

新進は福神漬のトップメーカーで、「特級福神漬」「カレー福神漬」などで知られる。毎年、福神漬の日に合わせてPRを展開している。やまうは福神漬の大手メーカーで「国産カレー専用福神漬」「やさしい福神漬」などで知られ、下北沢カレーフェスティバルに協賛している。

本来競合である2社の間で今後の業界活性化と福神漬の消費拡大、子どもやその親に向けて漬物に対する認知、啓蒙を深めたいとの考えが一致。互いの社長同士が手を組んで進めて教材を完成させた。

冊子は、東京都と群馬県の小学校約83校に1万部程度配布する。また冊子の配布と合わせて、希望のあった学校には両社の福神漬を配布する予定。今後もライバルの垣根を越え、福神漬をはじめとする漬物のおいしさや魅力を将来に向けて広める活動を行っていく。

今回の取り組みについて、やまうの梅澤綱祐社長は「カレーと福神漬を一緒に食べる機会がだんだん減っているが、この組み合わせをなくさないよう、子どもの頃から伝える。この取り組みをきっかけに業界が盛り上がるとよい」と抱負を述べた。

また、新進の籠島正雄社長は「いかに漬物を食べてもらうかが、業界全体の課題となっている。食の嗜好性が固まる前に漬物に慣れ親しんでもらうことが重要。業界が一致団結して効果のある発信ができるとよい」と意気込みを語った。

北大西洋の豊かな海が育むアイリッシュシーフード 8月5日はパン粉の日