尾家産業は19日、大阪会場の22年春季提案会を大阪国際会議場で開催した。新型コロナウイルスの再拡大で開催実施を「直前まで悩んだ」(尾家啓二社長)が、新商品やメニューなど新たな提案を求める声が多いことから「外食業界の活性化に少しでも協力できたら」との思いで実施した。ただ、感染者が拡大している25日の東京、名古屋、27日神戸、2月9日京都の各会場での提案会は延期とした。
会場は尾家産業特別企画の提案コーナーとメーカー146社の小間で構成し、各社新商品やウイズコロナでの新たな提案を積極的に行った。来場者はコロナの影響もあり、予定1千人の半分ほどとなった。
同社特別企画は、PB提案、やさしいメニュー、MVF(ミート、ベジタブル、フィッシュ)、おせちなどの企画を実施。PB提案では、新商品で特にヘルスケア業態から好評の「かぼちゃダイス皮無し」「今すぐ使えるスーパースイートコーン」などをメニューとともに積極的に提案。やさしいメニューでは日本のごはんをテーマに、通常メニューをプラントベースの食材に置き換えた2パターンを用意し、「健康面だけでなく地球環境にも配慮したメニュー」の提案も行った。実際、同社のPB「サンホーム大豆ミートのベジ餃子」は産業給食を中心に順調とのこと。
また、おせちは20年、21年と130%以上の伸びであることから例年は秋から提案していたが、今回から1月からの提案に前倒しした。
同社の業績の進捗は、4~12月で売上は前年プラス、利益面は回復傾向にあり、重点分野のヘルスケアは10%強、中食は25%強と好調が持続している。特に21年12月単月は20年比2割増で19年比でも9割まで回復した。ただ22年1月はコロナ再拡大で再び鈍化している。中食好調の理由について佐々木亮司取締役中日本西部統括は弁当業態など「注力業態への集中」の効果を挙げた。
リアル提案会について尾家社長は「お客様の表情が見える、反応が分かる、出展社側もいきいきと説明しているなどであらためて対面の良さを感じた。今後もできる限りリアル提案会を実施していきたい」とし、今年の抱負については「22年3月期の黒字化が最大の希望」とし、来年度からの新中期計画につなげていく考えを語った。