業務用卸2団体 統合へ結束、難局克服誓う 合同賀詞交歓会

首都圏業務用食品卸協同組合、神奈川県料理材料卸商協同組合は13日、東京・信濃町の明治記念館で合同賀詞交歓会を開催した。

主催者を代表してあいさつした、首都圏業務用食品卸協同組合の白石俊彦理事長(イセヤ社長)は、両組合が統合に向けた準備を進めていることを報告。神奈川県料理材料卸商は、昨年の総会で白石俊彦理事長、榮村健一副理事長、沼田健志副理事長が就任。首都圏業務用食品卸は白石理事長、杉田副理事長、沼田副理事長が重任。白石氏が首都圏、神奈川両組合の理事長を、沼田健志氏(沼田商事社長)が同・副理事長を兼務し、両組合の発展的統合を目指している。

白石理事長は外食業界を取り巻く環境について「昨年10月の緊急事態宣言後、外食市場は明るい兆しが見えてきたが、オミクロン株による感染再拡大、昨年来の海外物流のひっ迫によるサプライチェーンの混乱、相次ぐ食材値上げの影響が懸念されている。飲食店の人手不足も深刻で、緊急事態宣言解除後も人員が集まらず、営業を縮小せざるを得ない店舗でもあり、非常に厳しい局面にある」と指摘した。その上で「われわれ業務用卸もこの2年間、さまざまな変化に対応し、難局を乗り越えてきた。この経験と知恵を生かしてポジティブ思考で、今後も続くであろうコロナ禍に対応していかなかければならない」と語り、「今年は値上げの年となる。業務用卸は生産性が低く、利幅が少ない業界といわれているが、飲食店のメニュー単価をしっかりと引き上げてWIN―WINの関係を構築し、より良い体質に変えていく機会にしないといけない」と意気込みを示した。

なお合同賀詞交歓会はアクリル板設置、マスク着用・消毒・3密回避など感染防止対策を徹底した上で開催。榮村健一・神奈川卸副理事長は「コロナ禍でソーシャルディスタンスが時代の流れだが、われわれ卸とメーカーはより密接な関係を大事にしていこう」と出席した業務用メーカー各社と結束強化を誓った。