今年8月6日、イギリス統治から独立して建国60周年を迎えるジャマイカは“Re-igniting a Nation(国家再燃)”をテーマに掲げジャマイカの魅力を発信していく。
その中核を担うのがブルーマウンテンコーヒーで、ショーナ・ケイ・リチャーズ駐日ジャマイカ大使は18日、「ジャマイカブルーマウンテンコーヒーは農業的価値以外に、活気ある観光分野を補完する。ジャマイカの多様な観光商品を日本市場に紹介する際、コーヒーもその一部であり続けるようにしたい」と語った。
1976年1月9日、ジャマイカの主都・キングストンの港から日本に向けて過去最大量のコーヒーが出荷されたことにちなみ、日本では、ジャマイカコーヒー輸入協議会(AJIJC)の働きかけにより2018年から1月9日を「ジャマイカブルーマウンテンコーヒーの日」に定め毎年アピールしている。
18日、ジャマイカ大使館で開催されたメディアイベントもその一環で、冒頭挨拶したAJIJCの荒木守理事は「協議会としてはこれからイベントやプロモーション活動を行いブルーマウンテンコーヒーの日を広めていきたい」と意欲をのぞかせた。
AJIJCは1981年に設立され、ジャマイカコーヒー最大輸入国のポジションを維持。
1988年に発生したハリケーン・ギルバートで農園が大打撃を受けた際には会員企業が資金の貸し付けを行い長きにわたりコーヒー豆で返済を受けたこともあった。
AJIJCはアタカ通商、MCアグリアライアンス、兼松、UCC上島珈琲、豊産業、ワタルの会員企業6社で構成されている。
ブルーマウンテンコーヒーは、前述のハリケーンなど度々襲ってくる試練と収穫後の厳しい品質検査を乗り越えて出荷されることから、AJIJCでは「試練に打ち勝った=勝ち豆」と称え、1月9日を「大切な人の“勝ち”を願ってブルーマウンテンを贈る日」としている。
UCCコーヒーアカデミー東京校で専任講師を務める川口雅也氏は産地の現況について「最近ではゲイシャやパカマラなど人気の高い品種が試され、加工工程もナチュラルやハニープロセスも研究されているが、輸出規格の中でそれぞれの定義が確立されておらず通常品と同じ表示で輸出されることになっている」と説明する。
ブルーマウンテンコーヒーのおいしい淹れ方・楽しみ方については、同じくUCCコーヒーアカデミー東京校で専任講師を務める土井克朗氏がドリップを実演しながら紹介した。
「ブルーマウンテンはバランスのとれたおいしいコーヒーになるので(お湯を注ぐとコーヒー粉に生じる)キラキラした泡をできるだけ上に残すように静かにゆっくり注ぐだけでおいしくなる。濃さに関してはお湯を注ぐ回数を増やせば濃くなる」と語った。
バランスがとれている特性からクレバーコーヒードリッパーを使った簡単抽出も好適であることやラムと砂糖を混ぜ合わせてつくるジャマイカンコーヒーと呼ばれるモクテルも紹介した。
ブルーマウンテンコーヒーは、ジャマイカ産コーヒーの中でも標高2256mあるブルーマウンテン山脈の中腹に位置する標高800~1200mの指定地区で栽培されたコーヒー豆のみを指し、海で吹く湿った風により雨雲が生じ、青い霧が垂れ込めることからその名が付けられた。
コネクトワールドワイドジャパンの森本笑子氏は、ブルーマウンテン山脈近隣でボブ・マーリー博物館などの見どころが点在する主都・キングストンの魅力ほか、ジャマイカ随一のリゾート地・モンテゴベイなど各地の見どころを紹介した。