味の素 学校給食フォーラムで講演 子どもたちの未来へ官民連携で

味の素とRoyalDSM(ディミトリ・ドゥ・フリーズCEO、本社オランダ)は、「東京栄養サミット2021」の公式サイドイベントとして、このほどオンラインフォーラム「学校給食と子ども達の未来~官民連携で実現する、サステナブルで健康的な食習慣づくり」を共同開催した。

フォーラムは、市民を代表して政井マヤさんの司会で進行。開催に先立ち、政井さんは「フォーラムでは、人の生涯に健康の基盤となる子ども時代に栄養改善のために学校給食が有効であること、学校給食を活用した栄養教育により食習慣改善に向けた行動変容を促すことができることを事例やエビデンスに基づいて議論する。開発途上国における学校給食事業拡大のためにプライベートセクターが果たすべき役割、国際機関、政府、地域の食料システムを含めたさまざまなパートナーシップが有効かつ必要であることを確認してほしい」と趣旨を説明した。

パネリストにはポール・ニューナム氏(アドボカシーハブディレクター・モデレーター)、カルメン・バルバノ氏(WFP学校給食部門ディレクター)、参議院議員の自見はなこ氏、ディミトリ・ドゥ・フリーズ氏(DSM共同CEO)、西井孝明氏(味の素社長)、政井マヤさん(市民代表)が参加した。

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冒頭、味の素の西井社長は次のようにコメントした。

当社は東京栄養サミット2021に向けて栄養コミットメントを作成した。この達成には学校給食と密接な関係があるマルチステークホルダーとの連携によるエコシステムの構築が必要と考えている。

栄養改善の柱はおいしさ、アクセス、地域・個人の食生活の3つが重要で、これは子どもたちにもあてはまる。味の素グループは学校給食を通じて食育を行っている。栄養素摂取だけでなく、子どもたちが食事に関する総合的な理解が得られるようにしたい。

日本の学校給食の良さを踏まえて海外で展開しているのがベトナムでのスクールミールプロジェクトで、10年かけて進めた。メニュー開発用のソフトウエアは4千以上の学校に広がり、60以上の市や郡にまたがり、140万人にアクセスできるようになった。

学校給食を通じて子どもたちの栄養改善のインパクトを高めていくにはマルチセクターで取り組む必要がある。ビジネスセクター、アカデミア、政府や国際機関はシステムを各地域に横展開しスケールアップの役割を担う。味の素はこのシステムの中で重要な役割を担う機会を探し求め、妥協なき栄養の考えのもとで、世界中の次世代の健全な成長に貢献したい。