閉店後に受け取れる薬ロッカーも
10月21日にオープンしたショッピングセンター(SC)「イオンタウン幕張西」(千葉県千葉市)の核店舗「ウエルシア イオンタウン 幕張西店」の目玉の一つに、調剤ロボットを本格導入した処方せん調剤薬局がある。
会見したウエルシア薬局の松本忠久社長は「ウエルシア過去最大の坪数を使って調剤を行う。フルラインで導入した調剤ロボットはカセットで補充することでピッキング作業がスムーズに行えるのが特徴。調剤を自動化する機械はこれまでもたくさん導入しているが、3Dで中身を監査する機械などの最新版を導入したのは初めての試みとなる」と語る。

調剤ロボットなどを導入することで捻出できる薬剤師の時間は試算済みだというが、今後、実務やトレーニングを重ねて精査していく。
「捻出された時間で薬剤師はモノからヒトへの時間に専門性を持って対応する。ロボット化で薬剤師の働き方を検証するのが大きなテーマ。どれだけ時間を捻出できるかを数値化していく」と説明する。
そのほか患者利便性向上の取り組みとして、薬局閉店後も処方薬を受け取れるロッカーや専用ブースを設置している。
専用ブースでは、オンラインによる服薬指導ニーズや検体測定による健康チェックに対応する。調剤薬局に隣接する医薬品や医食同源のフロアーには、お薬相談コーナーや各種測定器を設置したセルフチェックコーナーが設けられている。

「検体測定器の活用は以前から行っているが再度強化する。未病への専門性のある対応としてセルフチェックのところに管理栄養士を3人配置する。そこで健康・栄養に関する指導やメニューの提案を行いビューティーにも対応する」。
医食同源のフロアーには、DHA・EPA、自然派甘味料のラカント、糖質コントロール、減塩、カルシウムなどのテーマ別にNB商品や各地の名産品をラインアップ。「医食同源のPBも開発している」と述べる。
地域住民に向けて「ウエルカフェ」と称するコミュニティスペースも開放し、自由に利用できるようにしているほか、生活者の「困った」解決を図るイベントや健康栄養セミナーを定期開催する。
イオンタウン幕張西には、クリニックモールやフィットネスクラブなど健康・ウエルネスな生活をサポートする専門店が9店舗が出店。
22年夏には、現在建設中の約180床を有する「幕張病院」が開業・併設予定となっている。
イオンタウンは幕張病院(医療法人白百合会)と連携協定を締結し、有事の際には傷病者受け入れ体制に協力する。

また、商業棟内に設置したデジタルサイネージで幕張病院の診察案内や休診情報を放映する。
病院棟との往来も可能でイオンタウンの加藤久誠社長は「2階の専門棟と通路で結ばれ入院患者様やお見舞いに来られた方が行き来でき相乗効果が出てくると想定している」と語る。
商業棟から病院棟へ向かう導線には園芸売場が設けられ、気持ちをやわらげる工夫も施されている。
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