「完全栄養食」進化へ ロボットペンチャーと提携 日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングスは、食領域に特化した調理・業務ロボットを開発するTechMagic社(東京都江東区、白木裕士社長)に出資するとともに、事業会社日清食品が研究を進める「完全栄養食メニュー」の進化に向け、同社と日清食品で調理ロボットの共同開発契約を締結した。今後、栄養バランスの取れた食事の調理、盛り付けから提供までを完全に自動化する「スマートキッチン」構想の実現にも取り組む。

日清食品の完全栄養食は「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素を全て満たす食」がコンセプトとなっている。さまざまな栄養学的見地を参考に、インスタントラーメンなどで培った技術を応用し、独自で最先端の食品加工技術を駆使した未来の「完全栄養食」の研究を進めている。

今回、両社で共同開発する完全栄養食の調理ロボットは、「完全栄養食メニュー」を構成する種類や形状がさまざまな食材について、必要な量を正確に盛り付け、1食に含まれる栄養バランスを自動で整えることを目指すもの。

初期段階では「チンジャオロース」など不定形の食材を具材から判別し、正確に必要量を盛り付ける技術開発に注力。将来的には、提供する場所やシーンに応じて最適な品質を保ちながら、食事の調理、盛り付けから提供までを完全に自動化する「スマートキッチン」構想の実現にも取り組む。

さらに、個々人の栄養状態や目標摂取数値をデータとしてインプットすることで、その人に合った栄養バランスの食事を調理、提供する「食のパーソナライズサービス」も視野に入れる。

ショッピングモール、社食、レストランなどさまざまな場所に「スマートキッチン」を展開することにより、誰もが簡単に自分の栄養状態に最適化された食事がとれる環境づくりを目指す考えだ。

日清食品は、社内外で実施した完全栄養食のヒト試験の結果、体重、体脂肪率、BMI、血圧、中性脂肪といった数値に改善が見られたことから「日本未病学会学術総会」(2020年10月)、「日本食品科学工学会大会」(2021年8月)などにおいて臨床試験結果を発表している。

TechMagic社は、店舗や工場などロボットの導入場所に適した機械を設計、そこに自社開発のAIや画像認識技術などのソフトウェアを搭載することで、調理工程の自動化を実現するベンチャー企業。食領域に特化したロボット開発を1社で完結できるのが特長。