驚愕 茶葉が売れている駅ホームの自販機 飲料もバカ売れ 伊藤園・お茶づくし自販機に手応え

相鉄横浜駅で試験導入中

相鉄線・横浜駅2階改札からホームに入ると、中央に竹のイラストをあしらった和風デザインの自動販売機(自販機)が目にとまる。これは、相鉄線沿線の駅構内を中心にコンビニ・駅売店・自販機を運営する相鉄ステーションリテールと伊藤園のコラボによって設置された全国初となる「お茶に特化した自動販売機」(お茶自販機)で、7月27日から試験導入されている。

「沿線を元気に!とどけ、お茶のチカラ!」をテーマに、自販機を通じた新しい取り組みで相鉄線利用者に貢献していくことが目的。「コロナ禍によるテレワークの普及で自販機需要が低迷する中、新たな生活様式に合わせた自販機のあり方を模索した結果、「健康」というテーマにたどり着き、伊藤園さまをパートナーに迎えお茶に特化した自販機が編み出された」と振り返るのは、相鉄ステーションリテール(以下、相鉄)の高梨和真さん。

今年3月にお茶自販機のプロジェクトが本格始動し、両社で何度も話し合いを重ね、紆余曲折を経て試験導入に至ったという。

お茶自販機で特筆すべきは、茶系飲料に加えてお茶の葉(パウダー・リーフ)も販売している点。コラム(ディスプレイ)下段に「お~いお茶 お抹茶POWDER」(6本)、「一番摘みのお~いお茶1200」(100g)の機能性表示食品2アイテムと「お~いお茶 八女茶」(同)、「お~いお茶 知覧茶」(同)の商品がずらりと並ぶ。

下段にお茶の葉(パウダー・リーフ)をラインアップ(お茶自販機/相鉄ステーションリテール 伊藤園)
下段にお茶の葉(パウダー・リーフ)をラインアップ(お茶自販機/相鉄ステーションリテール 伊藤園)

自販機は「今すぐ飲料が飲みたい」といった即飲需要への対応を強みとしているため、即飲需要に当てはまらないお茶の葉の販売はチャレンジの位置づけであったが、これが売れているのだという。

「正直、自販機で100gのお茶の葉を購入いただけるとは想像できなかったが、やってみると購入いただいている現状に驚いている」と語るのは、伊藤園で鉄道各社の営業を担当する橋本周作さん。

「もちろん、販売本数では飲料の比にならないが、お客さまが確実にいらっしゃることが新発見。現状では売れている理由が明確ではないが、今後の販売動向を注視していきたい。物珍しさやヘルスクレームを訴求するPOPで機能性表示食品の気づきになっているのかもしれない」と続ける。

この流れには、相鉄線全線で掲出されている車内の窓上広告も後押しとなっている模様。広告には「沿線を元気に!とどけ、お茶のチカラ!」のテーマがデザインされている。

「北海道とうきび茶」「狭山茶」の地域限定品も売れている(お茶自販機/相鉄ステーションリテール 伊藤園)
「北海道とうきび茶」「狭山茶」の地域限定品も売れている(お茶自販機/相鉄ステーションリテール 伊藤園)

相鉄の高梨さんは「駅利用者に数ある販売チャネルの中で自販機に改めて関心を持っていただけるとありがたい」と期待を寄せる。

茶系飲料の初動の販売状況は大盛況。暑さも手伝い「通常の駅ロケーションの5、6倍のレベルで売れている」(伊藤園・橋本さん)という。

茶系飲料のラインアップは「お~いお茶」「健康ミネラルむぎ茶」に代表される全国発売の茶系飲料ほか「北海道とうきび茶」と「狭山茶」の地域限定商品となる。

地域限定商品は基本、当該エリア以外には出回らないが、試験導入の特例で導入している。その売れ行きも好調だが、これには「外出自粛の中、ご当地飲料を通じて旅行気分も味わいたい気持ちに応えている部分が大きい」とみている。

今後は、効果検証を経て、一つの商品カテゴリーに特化した「特化型自販機」の拡充を視野に入れる。「利用者に受け入れられた場合、自販機で販売可能なあらゆる商品を対象に『特化型自販機』を展開していきたい」(相鉄・高梨さん)と述べる。

相鉄ステーションリテールの高梨和真氏㊧と伊藤園の橋本周作氏
相鉄ステーションリテールの高梨和真氏㊧と伊藤園の橋本周作氏

これに対し、伊藤園・橋本さんも「例えばタリーズコーヒーに特化した自販機も面白いと思う。このほど新発売したタリーズのドリップコーヒーもラインアップできる。清涼飲料だけなく、茶葉・ドリップバッグコーヒー商品も用意できるのは伊藤園の強み」と語る。

橋本さんは5月から現職、以前は都内でルートセールスを担当していた。銀座に設置されている「エビアン」自販機と「お~いお茶」自販機へのラッピングを考案して売上拡大につなげた実績を持つ。

「今までは地域の皆さまに直接向き合う仕事がメーンだった。現在は企業さまを通じて各地域の皆さまと向き合うことになる。当初不安はあったが、当社の社是である『お客様第一主義』を貫き通すことで光が見えてきた。もちろんプレッシャーは大きいが、それを楽しみに変えて頑張っていきたい」と意欲をのぞかせる。