プラントベースフード活況 スープ、パスタソースなど拡充 「第3のミルク」めぐり覇権争い

食品、飲料各社が秋冬商戦に向けてプラントベースフード(PBF)の新製品をエントリーしている。PBFは、動物性原料を使わず植物由来(プラントベース)の食品のこと。早くから欧米中心に広がってきたが、昨年から国内でも各社が新製品を発売。コロナによる健康志向の高まりもあり、今年は家庭用製品の展開が目立っている。

PBFには特別な定義はない。伝統食品の納豆・豆腐、野菜飲料や豆乳なども植物由来だが、既に市場が確立された食品とは区別されている。タンパク質を豊富に含むため、健康効果のほかSDGsの観点から、人口増加に伴う食糧問題解決やCO2排出量抑制効果など社会課題解決のための食品としても注目されている。

不二製油グループ本社は業務用や原料供給に強みを持ち、大豆ミートをはじめとするPBFの展開を強化。その後、大塚食品やマルコメ、日本ハム、伊藤ハム、丸大食品などが中食・外食とともに家庭用にも力を入れ一気に市場が広がり、今では冷凍食品、大豆ミート、パスタソース、スープ、カレー、惣菜、調味料などさまざまな分野に広がっている。

また、飲料では第1のミルクである牛乳、第2のミルクと言われる豆乳に続く、「第3のミルク」の覇権争いをアーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクが展開している。

味の素社は「コロナ禍で、野菜やたんぱく質を強化したスープがプラントベースフードとして大きく売上げを伸ばしている」と西井孝明社長。昨年12月にはプラントベースドミートの普及を目指す取り組みの一環として、スタートアップ企業であるDAIZに資本参加した。

今春から植物由来の素材を使った「ネスカフェ プラントベースラテ」を発売したネスレ日本。9月から「ライスラテ」3製品を加え、「日本人にとってライスの甘みや優しい香りは最も馴染みがあり、コーヒーともマッチ。デジタルやソーシャルコミュニケーションを通じて30代女性への話題づくりをしたい」(髙岡二郎飲料事業本部部長)考えだ。

カゴメは「これまで植物性素材を使ったパスタソースや野菜だし調味料などを主に業務用で展開し、手応えをつかんだ」と山口聡社長。9月から植物性素材を使用した「ベジミートボールのトマトのソース」「ベジミートボールのマサラカレー」を新たに家庭用チャネルで発売。業務用でも冷凍「ベジミートボール」を発売し、品揃えを拡充。飲料では今秋から「野菜生活100 Oats+(オーツプラス)オーツミルクMix」を新発売する。

大塚食品は、大豆ミート食品の『ゼロミート』と、まるごと大豆飲料『スゴイダイズ』、米粒状加工食品『マンナンヒカリ』をプラントベースフードに位置づけている。発売20周年を迎えた「マンナンヒカリ」を9月から食感、パッケージをリニューアル。「休眠ユーザーの掘り起こしとトライアルユーザーを獲得し、20周年を機にマンナンヒカリの価値を改めて訴求。店頭およびECでの露出を強化する」(伊藤紫麻PM)。

今秋から植物性チーズ市場に参入するのがJ-オイルミルズ。日本初上陸となるPBFチーズの世界的ブランド「Violife(ビオライフ)」の植物性チーズ・バター製品を9月から関東地区で発売。今後は外食チェーン向けなど業務用製品の販売も予定しており、新たな柱としてPBFの事業展開を広げる。

日本アクセスは、このほど開催した展示会で植物性たん白質100%の「MAL de MEAT」を使用したPBFメニューを紹介したほか、家庭用チルド売場でPBF製品を集めた「ゆるベジ」の販促提案も強化する。国分グループ本社は、PBFを製造・販売するスタートアップ企業であるディーツフードプランニングと資本業務提携に関する基本合意を提携した。