サングリアもノンアルに 飲めない・飲まない需要に対応 メルシャン

メルシャンは6月29日、ノンアルコールのサングリア「MOCKBar(モクバル)」を発売した。国内外で高まるノンアルコールへの需要に応え、アルコールを飲めない、飲まない人向けの市場を開拓する構えだ。

背景の一つに挙げられるのが、世界的に進むアルコールの有害使用に対する懸念だ。世界保健機関(WHO)はアルコールの有害使用の削減を掲げるなどしている。SDGsターゲットでもアルコールの有害摂取防止と治療の強化が規定され、各国や酒類業界も対応を始めた。世界の主要酒類メーカーが加盟するIARDでも、有害飲酒削減を謳っている。日本では今年3月にアルコール健康障害対策推進基本計画(第2期)が閣議決定された。

国内の主要な酒類メーカーもWeb上などで純アルコール量を表示するなどの取り組みを始めており、またノンアル、低アル商品の投入も相次いでいる。

メルシャンなどのキリングループも酒の時間をゆっくりと楽しみ、スマートに心地よく飲むといった「スロードリンク」を掲げ、アルコール量の表示、直営店での飲み放題の中止などといった施策を打っている。

アルコール飲料に占めるワインの販売構成比は約3%であるのに対して、ノンアルに占めるワイン系の構成比は0.8%と少ないが、関係者は「ノンアルワイン市場は拡大の余地がある」とみる。

体質的には飲めるのに飲まないという人は20~30代に多いとされ、市場拡大のカギはこの層の開拓にあるという。また、この年代の女性は、ワインカテゴリーの中でもサングリアの認知・飲用意向が高いとされる(20年キリン調べ)。

メルシャンの調査ではノンアルについて、種類の少なさや味覚に対する不満がある一方で、ちょっと贅沢な気分を期待する向きもあることが分かり、贅沢感のあるノンアルに商機があるとみる。

これらに対応したのが「モクバル」だ。サングリアには「缶チューハイよりも味に複雑さがあり、リッチ」といった声もあり、市場活性化に期待がかかる。ある市場関係者は「メルシャンという大手が投入することで、ノンアルワインの認知が上がり、飲めない人・飲まない人が楽しめるようになる。結果として市場拡大が期待できるだろう」と話す。

名称は、ノンアルカクテルを指す「モクテル」と「バル」を組み合わせたもの。主なターゲットを「酒は好きだけれど、自分の時間を酔わずに楽しみたい女性」とし、平日夜や週末の1人飲み、気の知れた仲間と過ごす時間などを想定する。

減圧蒸留でアルコールを抜いたワインエキスを使用。多様な果物をミックスし、スパイス・ハーブを隠し味に使った。ワインらしさを再現し、余韻が感じられる素材や香りの組み合わせを実現したという。事前調査でも高い評価を獲得した。

「オレンジ&マンゴーmix」「洋なし&パインmix」の2品を用意。250㎖瓶入り、国内製造品。価格はオープン価格。