日本紅茶の祖は渋沢栄一「渡米実業団」の団員“大谷嘉兵衛”  原点回帰でお茶の強化に取り組むエム・シー・フーズ

米国の潜在的な成長力をいち早く見抜き、良好な日米関係が世界平和にとって不可欠になると予想した渋沢栄一。1909年(明治42年)、渋沢栄一は団長を務め、東京・大阪など6大都市の商業会議所を中心とした民間人50人を率いて3か月にわたり米国の主要都市を訪問した。この日本初の大型ビジネスミッションは「渡米実業団」と呼ばれ、この団員の一人が「製茶王」「茶聖」の異名を持つ大谷嘉兵衛(おおたにかへえ)である。

大谷嘉兵衛は1844年(弘化元年)、松阪市飯高町宮本に生まれる。19歳の時、横浜で製茶業を営む小倉藤兵衛に奉公し、24歳でスミス・ベーカー紹介の製茶買入れ人となり商才を発揮する。その後、全国茶業組合設立に参画し、日本製茶と日本紅茶を設立するなどして生涯通じて日本茶業の振興に力を尽くした。

また米国のマッキンレー大統領と会見し、茶の関税撤廃に成功し、日本と米国を結ぶ太平洋海底電線敷設にも尽力。1907年(明治40年)、貴族院議員に推挙される。

このような事実を掘り起こして、茶類事業の原点回帰を目指すとともに、日本紅茶創業者・大谷嘉兵衛由来の三重県松阪市の地方創生にも意欲をのぞかせるのはエム・シー・フーズの手代木和人社長。

エム・シー・フーズは、ともに大正中期に祖業した日本紅茶と住田物産を前身とする100年の歴史を有する会社で、現在は三菱食品の100%子会社として、果汁、製菓・酪農、茶類、飲料製品の4つを事業の柱としている。

Tips of TEA で販売される希少茶葉「Tips of TEA - Quality Season Tea -」(エム・シー・フーズ)
Tips of TEA で販売される希少茶葉「Tips of TEA – Quality Season Tea -」(エム・シー・フーズ)

日本紅茶は1917年3月、大谷嘉兵衛と中村円一郎が中心となり日本最初の紅茶会社として静岡県安西に設立された。エム・シー・フーズが昨年11月に開設した紅茶のECサイト「TIPS OF TEA」には、日本紅茶のDNAも加味されているという。

ここでは、ティーエキスパート、全国茶審査技術競技大会有段者、ティーインストラクターの資格を持つ同社のエキスパートが厳選した希少茶葉を数量限定で発売している。

その狙いについて「徹底的にこだわった茶葉を空輸で取り寄せ自社サイトにて手作業で販売している。これが品質に妥協を許さないわれわれの原点であり、日本紅茶を源流とした『ものづくり機能』が伝えられればよいと考えている」と説明する。

同サイトでは、一般流通もしているマブロック紅茶や日本紅茶レストランブレンドも販売している。この中で、マブロック製品は高品質な100%スリランカ産茶葉のみで作られたピュアセイロンティーで、スリランカで栽培から製品化までを短時間で行い日本へ直接輸出されている。

100%スリランカ産茶葉を使った「マブロック紅茶」(エム・シー・フーズ)
100%スリランカ産茶葉を使った「マブロック紅茶」(エム・シー・フーズ)

9月には、市場が伸長している「デカフェ」に参入し、新商品「デカフェ・4フレーバーセレクションティーバッグ」(12袋)を発売開始する。同商品は、紅茶本来の香味を損なわずに1袋(2g)の茶葉のカフェイン量を0.00g以下に除去したもの。「デカフェ・アールグレイ」「デカフェ・1001ナイト」「デカフェ・アップル」「デカフェ・マンゴー」を3袋ずつ詰め合わせて、税別600円で販売する。

既存品では「アールグレイ ティーバッグ」とアソートタイプをより買いやすくするため15袋入りから12袋入りへと変更しコンパクト化を図る。

これによりアソートタイプは「5フレーバー・セレクション」から「4フレーバー・セレクション」へと商品名を変更。「ジャージーミント」を外し、「アールグレイ」「1001ナイト」「イングリッシュブレックファスト」「アップル」を3袋ずつアソートした。

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参考資料=公益財団法人「渋沢栄一記念財団」公式サイト、大谷嘉兵衛の会公式サイト