環境にやさしいブランド目指す「生茶」の勝算は? 「単に環境に配慮した商品では難しい」と語るブランド担当者 キリンビバレッジ

キリンビバレッジは「生茶」ブランドを無糖・低糖の“摂りすぎない健康”領域の中核に位置づけるとともに環境領域でも事業を代表するブランドとしての取り組みを加速している。

取材に応じた植村昌史マーケティング部ブランド担当ブランドマネージャーは「自然の恵みが生み出す生茶葉のおいしさを継続して伝えていくとともに、おいしさだけではなく、環境にもやさしいお茶として共感されるブランドへと進化させていきたい」と意欲をのぞかせる。

「生茶」ブランドの21年販売計画は前年比6%増の2980万ケース。

環境配慮のアピールは果たしてビジネスにどう結びつくのか。

「生茶」(中央)、「生茶 ほうじ煎茶」(右)、「生茶デカフェ」(キリンビバレッジ)
「生茶」(中央)、「生茶 ほうじ煎茶」(右)、「生茶デカフェ」(キリンビバレッジ)

その勝算について質すと「お客様の環境意識はここ1年で本当に高まっていているとみているが、これが第一の購買理由になるケースは少ないと認識している。単に環境に配慮した商品では難しい。ブランド・パーパスに根ざした一貫したマーケティングアプローチが大切」と回答。

「生茶」で掲げるブランド・パーパスは“すべてのお客様のココロとカラダをお茶の生命力でおいしく満たす”。

ブランド・パーパスとはブランドの社会的存在意義を意味し、同社では消費者の共感を獲得してブランド力向上とビジネスの成長を図るため、ブランド・パーパスに基づいたマーケティング活動に徹している。

「お客様の共感を獲得していくことでブランドへの好意と商品力強化につなげていく狙いがある。『生茶』のおいしさを届け続けるためにも茶葉を育む自然を守って環境にやさしいブランドでありたいという思いを込めて、長期的な視点でお客様の共感を獲得していきたい」と述べる。

今年定めたブランドのコアアイデアは“新時代へ、生茶。やさしいがおいしい”
今年定めたブランドのコアアイデアは“新時代へ、生茶。やさしいがおいしい”

このブランド・パーパスをベースに、今年定めたブランドのコアアイデアは“新時代へ、生茶。やさしいがおいしい”で、商品とコミュニケーションの両方で具現化へと取り組んでいる。

商品では3月中旬からコンビニで再生ペット樹脂100%使用のリサイクルペットボトル(リサイクルPET)「R100ペットボトル」を採用した「生茶」と「生茶ほうじ煎茶」を発売。

3月23日からは、一部の量販店とECで「生茶」「生茶ほうじ煎茶」2品のラベルレスボトル6本パック、EC限定で同2品のラベルレスボトルのケース販売をそれぞれ開始した。

その出足の状況について、柿木綾音アシスタントブランドマネージャーは「SNSで非常に好意的な反応が得られている。飲用後の分別もラクでやさしくて、すごく気持ちよく飲めるといったお声が徐々に広がってきている」と説明する。

TVCM「生茶」篇と「吉沢亮」篇ではリサイクルPETを訴求
TVCM「生茶」篇と「吉沢亮」篇ではリサイクルPETを訴求

TVCMは「新時代へ。生茶」篇・「新時代へ。満島ひかり」篇・「新時代へ。吉沢亮」篇の3篇を用意して3月23日に放映開始。このうち「生茶」篇と「吉沢亮」篇や交通広告ではリサイクルPETを訴求している。
これにより「20-30代男女のカテゴリーエントリー層がリサイクルPETに反応して下さっている。40-50代の反応も少しずつ出てきている」という。

今回打ち出したR100ペットボトル採用商品とラベルレス商品の発売で年間約1400tのプラスチック樹脂使用量削減と年間約1300tのCO2排出量削減を見込む。

キャンペーンは、広告と連動して“環境取り組み”をテーマにした内容で実施していく。

3月から4月にかけては、対象商品を購入してポイントを貯めて応募するプレゼントキャンペーンを実施した。

LINEポイントがもらえるほか、応募の過程で知人に「生茶」の環境の取り組みを伝える動画をシェアすると知人にもラベルレスボトルがプレゼントされるようにした。

5月17日から7月11日かけては「選べる生茶エコなBOXプレゼント!」と題したキャンペーンを展開している。

植村昌史マーケティング部ブランド担当ブランドマネージャー(キリンビバレッジ)
植村昌史マーケティング部ブランド担当ブランドマネージャー(キリンビバレッジ)

これは対象商品のバーコードを集めて応募するクローズドキャンペーンで、ソーラーランタンやエコバッグなど日常にエコが詰まったセットが当たる「スタンダードエココース」、リサイクルPET素材を使用したナチュラルな素材感のある木目調の食器セットが当たる「R-100ボトルコース」、リサイクルPET素材を使用した生茶特別仕様のバッグ2点セットが当たる「ラベルレスコース」を用意している。

販売面では、「生茶 ほうじ煎茶」を「生茶」ブランドの本体(緑茶)に次ぐ2つ目の柱にすべく育成していく。

「無糖茶飲料市場の中の成長カテゴリーは緑茶とほうじ茶。むぎ茶飲料はこれまで成長してきたが、お家時間が長くなったことで、手いれ(ティーバッグ)に流出している」(植村氏)とみている。

「生茶デカフェ」は、本体に先行して19年6月にR100ペットボトルを導入していることから、環境取り組みのフラッグシップアイテムに位置づけている。販売状況については「40,50代女性を中心にカフェインを摂り過ぎたくない方に非常に支えられ、じわりと売上げを伸ばしている」(柿木氏)。