味の素 健康軸の製品改定で成長 調味料・食品で6%増見込む 西井社長

味の素社の西井孝明社長は10日、オンラインによる2021年3月期の決算説明会を開催し、この中で「企業価値向上に向けた取組み」について進捗状況を説明した。

食品事業のオーガニック成長に向けた基本戦略として、調味料事業は内食機会の増加をとらえ、味の素、風味調味料、メニュー専用調味料に重点投資し、「数量拡大と単価アップを同時に進める」。その一環として消費者の健康志向をとらえ、味の素ニュートリエント プロファイリング システム(ANPS)を基準とし、一つ一つの製品の健康スコアを向上するために製品改定に取り組んでいる。

ANPSは、食品の栄養面での品質を特定の算式によってスコア(数値)として算出するため、同じカテゴリー内の複数の製品や改定前後の製品の栄養価値を、共通した評価軸によって比較できるもの。例えば減塩タイプ製品では、製品発売に合わせ、製品戦略全体を強化。「昨年はANPSを使った製品改定はグローバルで500SKUに達した」。このシステムは特に食塩に注目して製品改定に使っており、中期的にはANPSの健康スコアをメニューの単位に広げ、栄養価値の「見える化」に取り組む。これらを通じて21年度の調味料・食品事業のオーガニック成長は約6%を見込んでいる。

コーポレートブランド戦略では、「味の素社のブランドを分析すると品質やおいしさ、使いやすさを軸に安心イメージが強い一方で、栄養、健康への貢献という評価が平均並みという課題がある」。そこで20年度は、ブランドコミュニケーションを「妥協なき栄養」という概念でくくり、統合コミュニケーションに一新した。今年度も「おいしさ」や「食文化の地域性」「全ての消費者が手にはいる食へのアクセス」という点で妥協せず、これを製品、マーケティング、コミュニケーションに反映していく。