「バリバリ職人」シリーズ10億円へ スナック海苔で新境地開拓 大森屋

「バリバリ職人」は2018年春夏発売品で、新食感ウェーブ製法により海苔の表面が波を打ったようになっており、食べるとバリバリと噛み砕く爽快感が特徴のスナックタイプの海苔商品だ。これまでもスナックタイプはさまざまな企業で挑戦があったが、“ウェーブ製法”など独自技術に加え、企業コラボによる想起型の味付けバラエティの展開という新境地を開拓したことも大きい。海外市場ではスナック海苔(韓国風味付け海苔など)の消費が増えているが、日本市場は依然としてコメと連動(おにぎり、すし用途)した消費がほとんど。その中での「バリバリ職人」の大ヒットは、日本市場のスナックタイプ拡大に可能性を示した格好だ。

そんな大ヒット品も発売1年目はそれほどでもなかった。しかし、酒類とのクロス販売やドン・キホーテでの導入で火が付き、通販サイトやSNSなどで「おいしい」「くせになる」など口コミでバズると一気に導入店が拡大。今ではほとんどの大手量販店から果てはゲームセンターのUFOキャッチャーの景品にまで昇格した。今春夏は新たに「くらこんHD」の大人気ブランド「塩こん部長」とのコラボ品「バリバリ職人・やみつき昆布味」を発売すると、こちらも好調な滑り出しとなっている。

家庭用の海苔市場(末端規模約1千億円)で10億円は大ヒットの扱いとなる。厳密な基準は設定しにくいが、そもそも家庭用メーカーのトップシェア争いは市場の13~15%を巡って行われ、単品で一番売れている商品でもシェア2%もない。その中で新規性、話題性があり、単独企業で10億円を超える規模に育ったのは近年では「塩のり」(05~06年発売)、「おにぎらず用」(17~18年発売)ぐらいしか見当たらない。普段から新製品開発に積極的な大森屋がコロナのストレスも噛み砕くような傑作を生みだした。