コーヒーの持続的生産に挑む UCCハワイ直営農園はいま LIVEセミナーで伝える

UCCグループは1989年、ハワイ島コナ地区に「UCCハワイコナコーヒー直営農園」を開設し、今年で32年目を迎える。

同農園では丘陵地に約1万8千本のコーヒー木を保有し、8月頃から手摘みで収穫している。持続的な生産に向けた取り組みとしては、全体の25%を毎年カットバックしていることに加え、植え替え作業を行っている。コーヒーの木のライフサイクルは20~30年とされる。

同農園を運営するUCC Hawaiiの小林司ゼネラルマネージャーは「開園32年目に入り、32歳の木が多く、昔と比べ収穫量が落ち勢いもなくなっていることから、現在、標高の低い下のエリアから一区画ごとコーヒーの木を全部抜いて、若いコーヒーの木を植える作業を行っている」と説明する。

その際、標高が低いエリアは日差しが強くて気温も高く、栽培には不向きな環境のためスギ科のシェイドツリーも植えて日差しを遮るようにしている。「長期的に地球の温度がさらに上がっていくことにも配慮して持続的に栽培できるように取り組んでいる」という。

ハワイ島で昨年確認されたさび病は、同農園では確認されていない。UCC Hawaiiの三木秀樹ストアマネージャーは「さび病に効く薬を撒いているが、ハワイでは農薬の規制が厳しい。そこで入園時のチェックを厳しくして、ほかの土を持ち込ませないようにしている」と述べる。

コナコーヒーの精製方法は水洗式(ウォッシュド)が一般的だが、同農園では現在、嫌気性発酵に取り組んでいる。

UCC Hawaiiの小林司氏㊧と三木秀樹氏
UCC Hawaiiの小林司氏㊧と三木秀樹氏

嫌気性発酵とは、酸素のない状態で乳酸菌や酵母で発酵させる手法で、「パンなどに使っている酵母を加えてから嫌気条件で3日くらい箱に入れて、そのまま水洗せずに乾燥させた。3月頃、日本へ輸出しようと考えている」(小林ゼネラルマネージャー)という。その量は麻袋2袋分(焙煎豆で80㎏程度)を予定し、販売場所や販売方法などは未定となっている。

以上の近況は、2月23日に開催されたUCCコーヒーアカデミーオンラインセミナー「ハワイ直営農園LIVEセミナー」で伝えられた。

UCCコーヒーアカデミーでは、アフターコロナ時代に対応し、これまで実施してきたオンラインセミナーの内容の見直しを図り、昨年10月1日にUCCグループならではのコーヒーの新講座として「UCCコーヒーアカデミー・新オンラインセミナー」を開講した。

同セミナーの特徴は、BtoC(消費者)、BtoB(企業)、BtoE(従業員)をターゲットに、コーヒーの専門性を追求した15種類のバラエティ豊かなカリキュラムを用意し、講師と受講者の双方向のコミュニケーションを可能にした点にある。

「ハワイ直営農園LIVEセミナー」では、UCCグループのグローバルネットワークを生かし、ハワイ島の直営農園とオンラインでつなぎ、現地ガイドと交流しながら農園などを視察できるようにした。

ナビゲーターはUCCコーヒーアカデミー東京校専任講師の大澤優二氏が務め、参加者からは「コロナが収束したら実際に訪れてみたい」などのコメントも寄せられた。

同農園では農園見学ツアーと焙煎体験ツアーを展開し、11年には園内の売店の改装や焙煎工場の移設などを進め「カップから農園まで」の一貫したおいしいコーヒーづくりを体験できる農園として設備の拡充を図った。