食用油 コスト環境、急激に悪化 製油各社6月から再値上げ

製油業界は油脂の価格引き上げを急いでいる。1月下旬に昭和産業が3月からの油脂値上げを発表したのに続き、日清オイリオ、J-オイルミルズも4月からの油脂値上げを発表。新年度に向けて、すでに値上げ交渉が本格化している。

第1弾の値上げ発表後も、大豆、菜種、パーム油の主要原料相場は上昇傾向が続き、大豆は6年半ぶりとなる1ブッシェル14㌦台を突破。菜種は2月下旬にトン830加㌦の過去最高値を更新し、1年前の倍近い高値水準となっている。パーム油も10年ぶりの高値で、油脂全面高の様相となっている。

こうした中で、製油各社は6月から再度の値上げに踏み切る。4月の値上げに続き、各社とも6月から㎏30円以上の再値上げを実施。厳しいコスト環境への理解を求め、油脂価格の引き上げを急いでいる。

相場上昇の要因は、大豆・菜種・パーム油の主要油脂が減産見通しとなる一方、コロナ禍からいち早く回復した中国をはじめ、世界の油脂需要が旺盛で需給が引き締まっているため。期末在庫率が低下し、相場の天井も見えず、為替の円安傾向や海上運賃の上昇も加わり、製油各社のコスト環境は急速に悪化している。

2月上旬に開示された日清オイリオグループ、J-オイルミルズの第3四半期決算でも、コスト上昇の影響が色濃くなっている。日清オイリオは第3四半期まで堅調だが、下期以降の急激なコスト上昇で1-3月期は営業赤字となる見通し。J-オイルミルズは第3四半期までの進捗と原料価格の上昇を踏まえ、通期計画を下方修正し、減収減益となる見通しだ。

主原料価格(期中平均)は第3四半期までの大豆930㌦、菜種500㌦近辺に対し、1月以降は大豆11㌦超、菜種570~600加㌦水準に上昇。2月以降、さらに相場の上昇が続き、1月時点で発表した第1弾の値上げでは到底カバーできず、製油各社ともに再度の値上げを実施せざるを得ない状況となっていた。

コロナ禍で外食市場が厳しい中での値上げとなるが、搾油環境は日ごとに悪化しており、油脂価格の早期引き上げに向けてユーザーの理解を求めている。

年に3度もの値上げを実施した12-13年の再来という見方もあり、今後は食用油だけでなく、すでに値上げを発表している油脂加工品に続き、加工食品全般に波及する可能性もある。

シカゴ大豆/ウイニベグ菜種 高騰