「綾鷹」コロナが直撃 話題づくりで巻き返しに意欲 日本コカ・コーラ

コカ・コーラシステムの緑茶ブランド「綾鷹」は、新型コロナウイルスの影響で今年予定していた2020オリンピック(東京2020)公式緑茶の戦略が中止を余儀なくされたことに加えて、販売ボリュームの大きい自販機が外出自粛の集客減に見舞われるなど厳しい戦いを強いられている。

取材に応じた日本コカ・コーラの助川公太ティーカテゴリー緑茶グループグループマネージャーは「今年はオリンピックの延期で話題づくりが十分にできなかった点が反省点。逆に言うと、コミュニケーションの必要性を改めて実感できたため、来年はライトユーザー層に向けて、今の『綾鷹』の良さをどう話題性を持たせて伝えるかを意識して展開していく」と意欲をのぞかせる。

「綾鷹」のロイヤルユーザーは30~40代。今年はこの層を維持した一方で、「味やブランドではなく話題性のある緑茶飲料を買い回るライトユーザーが離れてしまった」という。

巻き返しに当たっては、今年の厳しい市場環境で得られた成果がカギになりそうだ。

販売チャネルではオンライン(EC)でのラベルレス商品が好調となった。

「『綾鷹』についてはEC飲料市場を上回る伸びを獲得できている。ラベルレス商品は、ラベル付きの通常品とのカニバリが少なく、購買者の裾野を広げてくれている」と評価している。

通常品のアイテム別では「茶葉のあまみ」がスーパーで女性層に支持され好調に推移。「『綾鷹』レギュラー品に次ぐ第二の柱になってきている」。

「ほうじ茶」もほうじ茶飲料市場の成長に伴い拡大。ほうじ茶飲料は、“ほっこり”と香りを楽しむ嗜好ニーズが強いように思われるが、助川マネージャーはゴクゴク飲まれる止渇ニーズに着目し、2月に「ほうじ茶」の中味を刷新して若干スッキリさせた。

「麦茶やブレンド茶と同じように、香ばしいのだけど後味がスッキリしているということで若年層を中心にコールドでゴクゴク飲まれる傾向にあることが、さまざまな調査で分かってきた」と説明する。

今年3月に発売した「濃い緑茶」は、濃い味やリッチな味わいを求める50~60代の開拓を目的に開発されたが、コロナによる健康志向の高まりが逆風になったという。

「ライトユーザーに『綾鷹』の良さを」と語る助川公太氏(日本コカ・コーラ)
「ライトユーザーに『綾鷹』の良さを」と語る助川公太氏(日本コカ・コーラ)

「コロナの影響で、味の濃いお茶に対しては味わいよりも健康感が求められるようになった。このセグメントのキーワードは健康感で、『濃い緑茶』はこれまで特に意識して健康感を訴求してこなかったので早く対応していかなければいけないと考えている」。

キーワードは、濃い味の緑茶飲料カテゴリーが健康感であるのに対し、「特選茶」などのトクホ茶カテゴリーは効き目感だという。「特選茶」は「一定のお客さまに支持されており、食事と一緒に飲まれることで効果がより高まることを知らないお客さまに推奨の飲み方を伝えていく」。

一部チャネルで販売している「玄米茶」については「ほうじ茶飲料のようなマスがとれるところまで成長していないが、香ばしさと特徴的な味わいに一定のニーズはあると感じている」。

コミュニケーションは8月に開始した食との提案を継続していく。

「食との結びつきは緑茶飲料にとって外せない。今年に限らず来年以降も継続していく。時間はかかると思うが、“食事と一緒に飲むなら綾鷹”と思ってもらえるような活動をしていきたい」という。

冬場の市場については「伸びしろのある市場で、『綾鷹』は急須でいれたおいしさを訴求しているのでホット商品との親和性は他の商品よりも強いと思っており積極的に提案していく」。

ホット商品は、「綾鷹」本体の茶葉の配合を一部変更して「ホットでよりおいしく飲んでもらえるようにした」ほか、スーパーに440㎖サイズを新たに導入した。

「これまでスーパーさまでは350㎖、コンビニさまでは440㎖を展開していたが、ホット需要の高まりを受けて今年からホットでもたくさん飲んでもらう機会を提供していくためスーパーさまも440㎖に統一した」と述べる。

容量別では、家庭内消費の高まりでスーパーでの大容量サイズの販売が上向いている。