野口さん「宇宙で焼そばを食べたい」 開発進む宇宙日本食

民間企業の参入によって宇宙旅行が身近な存在となりつつある中、宇宙食市場は、2040年代には数千億円の市場規模になるとも言われている。

日本時間の16日、打ち上げに成功した米国企業SpaceX社開発の宇宙船「Crew Dragon(クルードラゴン)」に、日本人で初の搭乗を果たした野口聡一宇宙飛行士の携行品にも採用されている。

その一つが、キユーピーが提供する国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)認証宇宙日本食「マヨネーズ」。キユーピーマヨネーズは、07年6月に日本国内で製造された初の「宇宙日本食」の一つとしてJAXAから認証され、以来13年間提供を続けている。

09年には若田光一宇宙飛行士が第20次長期滞在時に携行。その後、同年に市販商品と同様の一般資材を使用した包材に変更しJAXAより認証され、これにより、通常商品により近い仕様が可能となった。

日清食品ホールディングスも宇宙日本食を強化。既に宇宙日本食の認証を受けている「日清スペースカップヌードル」「日清スペースシーフードヌードル」「日清スペースカップヌードルカレー」に加えて、新たに開発した「日清スペースチキンラーメン」「スペース日清焼そばU.F.O.」「日清スペースキーマカレーメシ」「日清スペースハヤシメシ」がJAXAに認証され、野口宇宙飛行士の携行品として宇宙に旅立った模様だ。

今回、宇宙日本食として新たに認証された4品のうち、「スペース日清焼そばU.F.O.」は、野口宇宙飛行士の「宇宙で大好物の焼そばを食べたい」という話を受け開発したもの。調理に欠かせない湯切りの必要がなく、濃厚でスパイシーな液体ソースの味わいを粉末ソースだけで再現している。

宇宙食は、宇宙空間(無重力状態)の環境下、スープやソースが飛び散らないなど課題があるが、同社開発陣は粘度を高めることで、無重力下でも飛び散らないよう工夫。麺は小麦粉やでんぷんの配合を工夫することで、ISS内で給湯可能な70℃程度のお湯でも湯戻しできるのが特徴となっている。

「ホテイやきとり(たれ味)宇宙用」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
「ホテイやきとり(たれ味)宇宙用」

やきとり缶詰では、ホテイフーズコーポレーションの「ホテイやきとり(たれ味)宇宙用」と「同(柚子こしょう味)宇宙用」が野口宇宙飛行士に提供されることが決まっている。宇宙日本食の「やきとり缶」は市販品とデザインが異なる(無地缶)程度で「地上で普段食べているものと同じクオリティを宇宙空間で食べることができる」(ホテイフーズ)という。

コンビニも宇宙日本食に参入。今年、ローソンの「スペースからあげクン」が1・5年までの保存性試験や衛生性などのさまざまな審査を経て宇宙日本食として認証された。

同品は、宇宙飛行士から「宇宙でもお肉が食べたい」という声を受けて、JAXAや食品メーカーの協力を得て開発されたフリーズドライ品となる。

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