「本搾り」「ストロング」が牽引 キリンビールRTD、高付加価値ブランド連続投入

昨年も前年比二ケタの伸長を見せた缶チューハイ(RTD)市場は今年も快走中で、上期はコロナ禍による家飲み需要もあり110%台前半で推移した。キリンビールも1~7月は二ケタを超える伸びを見せており、さらに新商品を投入して高付加価値にも挑戦する。

今年は10月の酒税改定第一弾もあり、10年先を見越して

①主力ブランドへ集中投資
②おいしさや品質へのこだわり
③新しい顧客をさらに増やす

の3点をRTD戦略に掲げる。また中長期的な需要増に対応するため仙台工場に75億円を投資して製造設備を新設。22年に稼働予定だ。

今年の酒税改定では税額が据え置かれることから新ジャンルなどに対して有利とみられるが、上昇トレンドが続く中でもあり、キリンは「改定のための施策」よりも継続施策を徹底する考えだ。

主力の「氷結」(1~8月)は前年並み。8月は83%と落ち込んだが、前年の限定品発売状況と今年の発売状況のズレや品数の違いが要因。刷新などでブランドを強化したい考えだ。

「キリン ザ・ストロング」は135%(1~7月)。4月の刷新が奏功。巣ごもり需要でも「ゆっくり・ゆったりとしたパーソナルな時間」との声も寄せられた。

「麹レモンサワー」(キリンビール)
「麹レモンサワー」(キリンビール)

ここ数年好調を維持している「本搾り」は今年も121%(1~7月)と高い伸び。「果汁とお酒だけ」のコンセプトが受け入れられてコアな層からの支持が堅く、徐々に共感の輪が広がっているとみる。市場には次々と新商品が登場して新旧が入れ替わるが「『本搾り』はどこ吹く風で伸びている」と競合社も評価するほどだ。

今年は高付加価値商品も連続投入する。「RTDには人工感がある」といった否定的な声の一方で「体によさそうな素材感」への期待も高いことから、新コンセプトに「自然とつくる、人に心地よいお酒」を掲げ、15日に「ベジバル フルーツ&ベジの特製カクテル」――3品を投入。業界の課題である収益性向上も狙う。「健康感」や「無炭酸なので飲める」といった声が寄せられており、既に今年目標の4割を出荷した。

25日には「麹レモンサワー」を発表。麹が引き出すレモンの旨みと、和食を中心とした食事に合うという味覚設計が特徴だ。流通側からも好評価といい、今年は約38万箱(250㎖×24本/箱)を目指す。10月13日発売。