“国産産地指定”飲料を拡充 地域と連動する「TOCHIとCRAFT」とは ポッカサッポロ

ポッカサッポロフード&ビバレッジは今春、国産無糖茶シリーズとして展開していた「TOCHIとCRAFT」に国産果汁を追加して主要アイテムを刷新。秋冬に向けては、大分県の日田産梨果汁を使用した「おおいた日田の梨ソーダ」と鹿児島県の知覧産紅茶を100%使用した「かごしま知覧紅茶無糖」を発売してラインアップの拡充を図った。

「TOCHIとCRAFT」は、土地とその土地のものづくりを組み合わせたシリーズ名で、地域と連動して日本各地の希少素材にこだわった“国産産地指定”飲料を取り揃えている。

素材・生産者・製法・文化といった国産素材のこだわりに、納得買い・応援・多様性・持続可能といった現代の価値観を取り入れて各商品で地域の魅力を伝えていく活動に重きを置いている。

3日、取材に応じた黒柳伸治価値創造飲料事業部長は「価値の多様化がコロナ禍でより顕著になった。今はモノだけによる画一的な価値でマジョリティーに向けてアピールする時代ではない。ストーリーとのセットで提案し、お客さまに共感・購入してもらうことに取り組むべき」と語る。

その強化策は今後詰められ、SNSやECなどを駆使してストーリーを伝えていく考えだが、既にいくつかの好例が出てきている。

その1つが「北海道夕張メロンソーダ」で、同社は5月、夕張市農業協同組合(JA夕張市)から夕張メロンを約500個購入し、札幌市内の保育所など約500か所に夕張メロン1個と「北海道夕張メロンソーダ」1ケース(24本入)を寄贈した。

「北海道夕張メロンのソーダ」は、JA夕張市の協力の下、夕張メロンの果汁を使用し、フルーティーな香りと味わいを炭酸の爽快感とともに楽しめる炭酸飲料。サッポログループにゆかりのある北海道を応援することを目的に、09年から北海道エリアを皮切りに発売している。

12年以降は全国で期間限定販売し、19年には発売10周年を記念して初競りに参加。夕張メロンの秀品1箱(2玉)を史上最高落札額となる500万円で落札し、10年にわたり夕張メロンの果汁原料を提供している夕張市生産者への感謝の思いを形にした。

今回も、新型コロナウイルス感染拡大防止策に伴い北海道における緊急事態措置が発令され観光産業などが打撃を受ける中での夕張市生産者への貢献を目的とした。

これにより、電話と手紙による御礼が多数寄せられたほか、販売も絶好調とのことで「夕張市から原料を購入することで持続可能なつながりになると考えている」と価値創造飲料事業部の肥後亮氏は述べる。

「富良野ラベンダーティー」でも5月にツイッターで「#おうちで富良野旅」と題したプレゼントキャンペーンを展開し、地域の話題喚起に貢献した。

黒柳伸治部長㊧と価値創造飲料事業部の肥後亮氏(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)
黒柳伸治部長㊧と価値創造飲料事業部の肥後亮氏(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)

「TOCHIとCRAFT」シリーズの今後の方向性については「最初は希少素材で戦っていたが、これに地域とのつながりやコトを積み重ねてきた。現在の環境下では地域とのつながりやコトが非常に重要で、20年秋以降さらに強化していきたい」(肥後氏)との考えを示す。

同シリーズの最注力アイテムとなる「加賀棒ほうじ茶」では、Web動画などを通じて「われわれではなく、生産者の声として商品のバックボーンを伝えていく」。

同商品は、ユーザーから支持されている香りを強調するパッケージに刷新して3月2日から発売したところメーンの500㎖PETが好調。コロナ禍で飲料市場が足踏みする中、1-6月で二ケタ増を維持している。

同社は9月1日付で組織変更を行い、事業統括本部と研究開発本部を廃止してレモン・プランツミルク事業本部と食品飲料事業本部を新設した。

食品飲料事業本部傘下には、価値創造飲料事業部、加工食品事業部、フード&ビバレッジ研究所を設置し、価値創造飲料事業部ではレモン・プランツミルク事業本部で扱うレモン飲料と豆乳・アーモンド飲料のプランツミルク(チルド)を除くドライ全般の飲料を担当する。