アピ 一般食品用原料にも着手 変化対応で過去最高益 野々垣孝彦社長に聞く

健康食品、医薬品のOEM大手のアピ(岐阜県岐阜市、野々垣孝彦社長)は、前期(2020年8月期)を増収増益で着地、経常利益は過去最高値で着地した。同社は健康の総合受託企業を標榜し、医薬品事業には13年前から参入している。新型コロナウイルスでは塩野義製薬とのワクチン開発にも着手し各界から注目を集めている。

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――前期着地について。

健食事業は4月に単月での過去最高売上高となったが、5月以降は8月まで顧客によっては販売不振の業態が少なくなかった。また東京五輪開催を念頭に置いたアミノ酸、プロテインなどを使用したスポーツ、美容系のサプリメントも不発で健康食品の売上げに影響した。利益については医薬品事業の増加と昨年導入した新・原価システムによるコスト管理、生産現場では省人化、ロボット化を推進し好結果となった。

――巣ごもり需要での売れ筋は。

野々垣 販売業態では通販が好調で、COVID-19の感染拡大の影響もあり、素材では免疫強化が期待できるプロポリス、乳酸菌ほかビタミン系の製品受注が拡大。商品形態はハードカプセルよりもスティックタイプや液体ドリンクへと需要のシフトが顕著だ。「リトルPET」「ブロー」は差別化できる容器で当社の強みだ。今期も提案を強化していく。

――新年度の取り組みは。

野々垣 社内組織では「営業開発統括本部」(営業本部、営業開発企画・管理本部、研究開発本部を統括)、「蜂産品特販部」「新規事業開発部」(海外市場を含む)と3つを新設した。

また、テレワーク化によって通常の商談ができなくなっているが、顧客との新たなコミュニケーションに力を入れている。工場見学も受け入れられない状況だが、バーチャル動画を配信し、当社のもの作りの考え方を理解していただくなど、「アピズODM」の情報発信を強化している。

――海外市場への対応は。

野々垣 海外輸出も一時的にコロナの影響で滞ったが、現在は再開されつつある。台湾、中国市場を中心に考えているが、ネクストステージ工場ではハラル認証も取得している。マレーシア、シンガポール等への輸出も拡大するだろう。

――新たな事業としては食品原料の販売もスタートしているが。

野々垣 より一般食品寄りの機能性食品を提案販売している。「減塩」や「アレルゲンフリー」などのキーワードに対応できる機能的な原料だ。これらのニーズも今後は増加すると思う。蜂産品、健康食品、医薬品に加え、こうした一般食品で採用される素材の開発・販売を強化する。今後こうした流通に対しこうした素材提案を進めていきたい。