在宅時間が増えるとチルド麺が売れる!? 長年の課題一気に解決

新型コロナが流行り、在宅時間が増えると時間に余裕ができ、料理でもするかという気になり、手間ひまのかかるものが売れる。今回の新型コロナ騒動ではチルド麺もその恩恵を受けた。

今第1四半期(4~6月)の家計調査(総務省)では、チルド麺(うどん・そば、中華麺)は購入頻度、支出金額、購入数量が前同比120~130%、購入世帯数も二ケタ近い伸び。「2月後半から3月にかけて、(新型コロナの影響による)特需がかなり大きくきたこともあり、2019年度の市場(金額ベース)は、4年ぶりに前年比100.5%と拡大。2020年度も7月半ばまで前年比120%以上という大きな伸びとなっている」(業界関係者)といったように、家計調査の数字を裏付ける。実際、大手メーカーの第1四半期業績も二ケタ前後の伸びとなった。

生活者の簡便・即食志向を背景に、調理に時間や手間がかかり、日配ゆえの賞味期限の短さという弱点を持つチルド麺。即席麺、冷凍麺、惣菜、外食など多方面からの侵食を受け、ここ数年はダウントレンドが続いていたが、新型コロナに伴い在宅勤務や学校休校で在宅時間が長くなったことにより、家庭内での調理機会が増え、具材を用意し、麺をゆでるなどの手間ひまがかかり、保存性というチルド麺の弱みが、外食品質の本格的なおいしさや鮮度感、家族で作る、という強みに置き換えられた形。

トレンド転換の最大の要因は、「購入経験率(間口)が前年比二ケタ以上と伸びている。新規ユーザーが大きく増えた」(同)という消費行動の変化。

「年代、世帯別で見ると、新型コロナ以前は、チルド麺のメーンユーザーは50代以上の割合が高かったが、今回、20~30代の若い方が随分と利用され、若年層や単身層の利用者が従来のユーザーに大きく乗っかってきた。それが4~5月の伸長率の要因」「スーパーマーケットに来店するお客さまに、いかにしてチルド麺売場に立ち寄っていただくか、商品を手に取っていただくか、食べていただくか、というチルド麺業界長年の課題が、新型コロナで一気に解決した」(同)というように、チルド麺のトライアルが増え価値が認識されたことで、家計調査や市場動向、メーカー業績として現れた。

業界としては、今回の新型コロナ騒動で獲得した新規ユーザーをいかに囲い込み、ロイヤルユーザー化するかが最大の課題だ。3密回避のため試食などの販促は制限され、店頭での取り組みは難しそうだが、新型コロナによって広がった間口をさらに拡大し、奥行きを広げるべく、いかに売場に引き寄せ、商品を手に取らせるか。チルド麺業界にとっては、ダウントレンドからの完全脱却に向けた勝負の秋となる。