ほうじ茶に“生”の新発想 「生茶」から濃いのにすっきりした「ほうじ煎茶」 キリンビバレッジ

キリンビバレッジは15日、「生茶」ブランドから5年ぶりの新商品「生茶 ほうじ煎茶」を発売し、ブランドが持つ“生のおいしさ”を発信強化していく。同商品は、まる搾り生茶葉抽出物を使用した、ほうじ茶飲料。茶葉の焙煎にも工夫し“しっかり濃いのに、すっきり軽やかな”味わいに仕立てられている。秋冬に向けて、同商品を「生茶」ブランド第2の柱にすべく大規模マーケティングを予定している。

2日、取材に応じた松井のり子マーケティング部部長代理ブランドマネージャーは「『ほうじ煎茶』のニュースで『生茶』ブランドの生のおいしさ”にフォーカスしてもらい、急須などを使った手いれでは味わえないブランド価値を伝えていく」と語る。

ほうじ茶飲料市場は、ほうじ茶そのものが和素材としての安心感やスイーツ・ラテへの汎用性で注目を集めるにつれ拡大。市場規模はまだ緑茶飲料市場の1割にも満たないものの、高い市場成長性と期待値の二つの点から高い成長を見込む。

松井のり子マネージャー(キリンビバレッジ)
松井のり子マネージャー(キリンビバレッジ)

「市場規模は2千万ケース程度で大きくないが、市場成長性とお客さまの期待が非常に高く、この掛け算で有力なカテゴリーになると捉えている」。

同じ茶色系の無糖茶飲料では、むぎ茶飲料も近年拡大し、ほうじ茶飲料の3倍強の市場規模を持つが「いつでもだれでも飲めるという利便性が選択理由になっており、コロナ禍で手いれに流出している動きもあり、カテゴリーに対する期待値は低い」とみている。

ほうじ茶飲料に攻め入るに当たっては、中味に加えてブランドを前面に押し出していく。同社が行ったグループインタビューによると、消費者の意識としては、ほうじ茶そのものに価値を見いだしブランドの独自性が希薄であることが判明。ブランド価値が形成されないまま市場拡大することでコモデティ化・低価格化の恐れもあるという。

「現状のほうじ茶飲料は、どれも同じように見えている。ブランドの付加価値を持った商品を投入することが、無糖茶市場全体にも良い影響を与えると考えている」。

この考えの下、パッケージはブランド名を正面に配置し、「ほうじ煎茶」のネーミングとオレンジのカラーでほうじ茶飲料であることを表現。「『ほうじ煎茶』と少し独自性のある商品名で品質感を感じてもらい、“『生茶』のほうじ茶が飲みたい”と指名買いされるようにしていきたい」と意欲をのぞかせる。

コミュニケーションは、商品認知獲得を目的に「ほうじ茶に、生。」をキーメッセージに掲げて「ほうじ茶にも生があった、というように伝えていく」。

「生茶」本体と同様に、満島ひかりさんと吉沢亮さんをイメージキャラクターに起用してTVCM、各種デジタルメディア、交通広告、店頭活動を組み合わせた大規模マーケティングを予定している。

なお、ほうじ茶飲料市場はコロナ禍でも力強い動きを見せたという。「手いれの需要が上昇し、その影響を一番受けたのが麦茶飲料。麦茶飲料とブレンド茶飲料がダウントレンドにある中、仮説ではあるが、ほうじ茶は手いれが定着しておらず新しいものに対する期待もあり、打撃を受けていない。1-7月もプラスで推移している」との見方を示す。