できたて惣菜もストックできる時代 D+30を実現、新コンセプト「フレッシュストック」提案 キユーピー

キユーピーは今秋から、惣菜売場の概念を変える「フレッシュストック」事業を開始する。その日に食べるものを買う惣菜売場から、明日以降食べる惣菜を冷蔵庫にストックするという新コンセプトを提案する。おいしさ、鮮度をそのままに賞味期間を30日維持できる製法で惣菜を開発し、生鮮売場と中食売場にストックという価値を生み出していく。今秋は助走期間と位置づけ、本格展開は来春から。24年には売上高150億円規模に育成する。

全世帯の半分近くまで占めるようになった共働き世帯。その世帯を中心に現在、買い物時間の短縮、生鮮売場中心の買い回り、調理の簡素化など、家庭のニーズが急速に変化している。そうしたニーズに応えるため、キユーピーがフードサービス(業務用)で培ってきた、下ごしらえの代行、人手不足への対応、プロに認められる味作りなどのノウハウを活用した商品を「フレッシュストック」として、家庭用市場で展開していく。

商品は低温売場専用。3本柱として

①惣菜売場で販売するパッケージ惣菜
②生鮮売場で販売する調味料
③惣菜売場等で販売するタマゴ商品

――を育成する。

パッケージ惣菜は、手作り感のあるフレッシュな味わいが特徴。レトルト殺菌した食品は、常温で半年から1年の保存性があるものの、高温で殺菌することで色味や風味が損なわれる。フレッシュストックでは温度や加熱時間を調整し、冷蔵で約30日間の保存性を実現しつつ、色味や風味で作りたての煮込み料理の感じを残した。冷蔵庫にストックしておくと、自宅にいながらカフェやレストランのような食事が食べられ、夕食やテレワークの日のランチにも活用できる。D+1~2の惣菜売場での販売で、1か月の消費期間のコンセプトが際立つ。

生鮮売場の調味料は、青果売場向けにきざみ玉ねぎと、おろし大根を発売する。ダシや柑橘を効かせた優しい味わいの調味料に、生野菜換算で40%以上の具材を配合。手作りのような外観や食感を出すため、大小さまざまな大きさにたまねぎをカット。おろし大根はふんわり感、繊維感が残るように細部にこだわった作り。肉や魚を乗せた主菜サラダとして楽しんでもらう。精肉・鮮魚売場向けは、新ブランド「わたしのお料理」。旬の素材を見ながら、その日の献立を決められる商品の品揃えを行う。地域特産品や、流通一押しの素材とのコラボも提案していく。

3つ目のタマゴ商品は、まずはゆでタマゴから。ゆでタマゴは案外手間がかかり、家庭で作る機会も年々減っている。冷蔵庫にストックし、そのまま食べるか、料理のアレンジにも使える。

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長南収社長の話

外食産業の創生期である70年代初頭から、当社はお客さまの好きな味を作るというオーダーシステムを業界で初めて実行し、一流ホテル・レストランからさまざまな要望をいただき、直接の指導でプロに認められる一流の味を量産ラインで作る製造技術・ノウハウを蓄積してきた。業務用の発想を、家庭調理の手伝いや食卓の豊かさに生かしたいと長年温めてきた想いを、いよいよ実行に移すときが来た。フードサービスをフレッシュストックへ、いつでもフレッシュな味わいで食材を楽しめる調味料や惣菜、卵商品の新提案を行い、生鮮売場と中食売場にストックという価値を生み出し、流通各社とともに魅力ある売場作り目指していく。