飲料の濃縮缶、じわり浸透 持ち運びやすさ・簡単・省スペースに価値 サントリーと伊藤園が市場創出へ

コロナ禍による巣ごもり需要や家庭内消費の高まりで、食品スーパーや総合スーパーでは水・お茶の大型ペットボトル(PET)飲料が拡大している。こうした中、大型PETに比べて小さく軽く持ち運びしやすく、買い物の際にさほどかさばらないものとして、濃縮缶がじわり浸透しつつある。

サントリー食品インターナショナルが19年4月に「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ」(180g缶)を発売開始し、今年に入って伊藤園が参入したことで売場が拡大した。専用什器の導入も進んでいる。

濃縮缶とは、濃縮飲料(コンク)を詰め合わせたもので、1缶を水に注ぐだけで好みの濃さに合わせて1~2ℓの麦茶や緑茶が簡単につくれるのが特徴となっている。

運びやすさでは、12ℓの麦茶を運ぶ場合、2ℓのPET6本(1ケース)が濃縮缶(6缶)に置き換わることで重さは10分の1に軽減される。

持ち運び後も家庭内で省スペース化が図れるほか、使用後はPETに比べてラベルを剥がすといった手間が省け、かさばらずに置いておけるのが価値となっている。

サントリーは今年、ラインアップを拡充。「GREEN DA・KA・RA やさしい麦茶 濃縮タイプ」に加えて、「伊右衛門 炙り茶葉仕立て 濃縮タイプ」(185g缶)、「サントリー烏龍茶 濃縮タイプ」(同)、「DAKARA ミネラル 濃縮タイプ」(195g缶)を4月7日から発売している。

缶容器入り希釈用茶系飲料「お~いお茶 緑茶」など伊藤園の商品群
缶容器入り希釈用茶系飲料「お~いお茶 緑茶」など伊藤園の商品群

この中で「やさしい麦茶 濃縮タイプ」は、専用CM「こんなときこそ」篇を5月16日に放映開始したことが後押しした模様で好調に推移している。

伊藤園は、缶容器入り希釈用茶系飲料と称して「お~いお茶 緑茶」「健康ミネラルむぎ茶」「Relaxジャスミンティー」「ウーロン茶」の4品(180g缶)を3月2日に発売開始して徐々に売場を獲得。

6月17日、決算発表した本庄大介社長は「コロナ禍の影響でじわじわ伸びており、発売2か月で160万本以上を販売した」と語った。