コロナ禍でも焦らず粛々と 10月にオンラインで日本酒フェア 日本酒造組合中央会

清酒市場は長期的な下落傾向に加えてコロナ禍に見舞われている。今年、日本酒造組合中央会の会長に就任した大倉治彦氏(月桂冠社長)は9日の会見で「具体的な打ち手がある状況ではない」としつつも「粛々と焦らずやらなければならない。開き直って考えていく」と話し、またイベントなどの需要開発の在り方なども、その方法を検討していく考えだ。

業界はコロナ禍で大きな打撃を受けた。製造・物流・販売などが物理的に困難な状況だが、最大の課題は需要の減少だ。4月の清酒は前年同月比78%、5月も78%と厳しい状況。本格焼酎も5月は88%だった。大倉会長は「大手は業務用・家庭用のバランスをそれなりに取っているが、中小の中には極端に業務用に偏っているところもあり、中央会としてできることが分からない面もあるが、取り組んでいきたい」と語る。

中止になった日本酒フェアなどのイベントにも意欲を見せるが、佐浦弘一副会長は「大勢の人を集めたイベントは困難で、今年の開催は難しいだろう」と話す。ただ社会がオンライン活用に慣れてきたことから、10月には日本酒フェアをオンラインで開催する方向で準備を進めており、無料で参加できるよう検討をするという。

中央会として需要増に結びつく活動を充実させる意向で、コロナ後を見据えて、過去にも行った需要動向調査なども検討する。

増えつつあった清酒の輸出もコロナ禍の影響を受けているが小西新太郎副会長は「酒の魅力に対する世界の関心がしぼむことはない」と話し、海外駐在員を活用して情報収集に努めるとする。また仏のソムリエ協会とのパートナーシップ締結を明るいニュースだといい、「輸出について、しばらくは活動が難しいが、前向きに取り組む」(小西副会長)考えだ。

本格焼酎の輸出も厳しい状況だが、昨年まで各国のインフルエンサーを産地に呼ぶことで発信に努めており、「彼らを通じての発信、売り込みを行いたい」(熊埜御堂宏實副会長)とする。また本格焼酎の地理的表示取得について、原料の問題が残るものの進展があるという。

小西副会長は「中央会としての役割が、従来と違った意味で大事になると認識している。役割、役目を明確にしたい」と意欲を見せている。