日清オイリオ コロナ禍でも成長加速 付加価値ビジネス拡大へ 久野社長が方針

日清オイリオグループの久野貴久社長は決算説明会(動画配信・電話会議)で、「コロナウイルス禍の収束に向け、従業員の感染防止に最大限配慮した中で、生活に欠かせない食品の供給者として安定的な供給を最優先とする」方針を示した。

同社の前3月期決算は売上高3千334億円(2.8%減)、営業利益131億円(1.4%増)で着地。今期最終年度を迎える中期経営計画「OilliO Value UP 2020」で掲げた連結営業利益130億円を1年前倒しで達成。「国内汎用油の安定収益獲得」「多様な付加価値ビジネスの拡大」「海外事業の拡大」の基本方針が着実な成果を挙げ、収益力が向上。4か年の累計営業キャッシュフロー500億円の目標も順調に推移している。

ホームユース(家庭用)では、汎用油の収益安定化とプレミアムオイルなど付加価値カテゴリーの強化に注力。オリーブオイルやごま油、アマニ油などの付加価値カテゴリーの販売額は3年間で40%増と伸長し、かけるオイルの提案強化など市場拡大を牽引している。

業務用油脂では中食・外食の人手不足などの課題に対応したニーズ協働発掘型の提案営業が成果を挙げ、機能性油脂の販売量は3年間で倍増。汎用油カテゴリーにおいても、長持ち油など戦略商品の販売強化と適正価格の形成による安定収益の獲得を図り、相場変動に左右されない収益体質強化につながっている。

ヘルスサイエンス事業ではMCTオイルの展開が拡大。スポーツや美容を切り口にした積極的なコミュニケーション活動により、MCTの認知率向上と量販・ドラッグでの導入が拡大。MCTオイルの販売量は3か年で2.9倍と伸長。高齢者の低栄養対策では、独自素材の結晶性油脂の展開もスタートした。

こうした中で今期の業績見通しは、国内外での新型コロナウイルスの影響により、売上高3千200億円(4%減、134億円減)、営業利益104億円(20.8%減、27億円減)の減収減益を見込むが、久野社長は「中計総仕上げの年として、ESG経営など社会的課題の取り組み加速と、油脂を基軸とした多様な付加価値ビジネスの追求、事業構造改革の推進により、21年度以降の飛躍に向けた礎を築いていく」との意気込みを示した。

なお、新型コロナウイルスによる事業影響として、国内では家庭用は数量増となるが、業務用の大幅減により、油脂販売量は全体で10%弱の減少となる見通し。そのほか、加工油脂ではマレーシアのISF社で10%減、ファインケミカル事業は国内のインバウンド需要減や世界的な需要減少で化粧品原料の販売量は30%減となる見込みを示した。