徳之島産コーヒー 23年に本格販売 進む整備 味の素AGFが第二農場開設

味の素AGF社(AGF)は、17年6月から鹿児島県奄美群島で実施している「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」の一環として、徳之島南端の伊仙町で17年に開設した「AGFコーヒー実証農場」(第一農場)に加え、今年4月11日に第二農場をオープンした。

徳之島は北緯27度40分とコーヒーベルトから離れているものの、平均気温が21.9℃と四季を通じ温暖多雨の亜熱帯海洋気候で、日本国内でも数少ないコーヒー豆が生産できる地域の一つとして注目されている。

徳之島コーヒー生産支援プロジェクトは、徳之島コーヒーが次世代につながる事業へと発展していくことを目的に、伊仙町、徳之島コーヒー生産者会、AGF、丸紅の4者が手を携えてコーヒーの生産拡大に取り組む活動で、AGFは事業活動を通じて心身の健康や共生といった社会価値の創出への取り組みであるAGF-SVの一環として、国産コーヒー豆を使った商品開発に取り組んでいる。

現在、徳之島全体の収穫量は100㎏に満たず島内の消費でほぼ終わっているものの、22年には収穫量を1t(コーヒーの木1万5千本)に拡大してテスト販売を行い、23年からは3t(コーヒーの木2万本)の収穫量を見込み数量限定で発売していく計画を立てている。

AGF社員研修の様子(AGFコーヒー実証農場) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
AGF社員研修の様子(AGFコーヒー実証農場)

生産拡大に立ちはだかる台風被害や土壌改善、設備不足などの諸課題に対しては、AGFと丸紅が多岐にわたり支援。農場で苗植えや収穫などを手伝うAGF社員の体験型研修は、これまで計7回実施された。累計参加者数は92人に上る。

今後は、本格販売に向けて引き続き徳之島コーヒー生産者会が主体となって育苗数の拡大と生産農地の拡大に取り組んでいく。

育苗は現在、障害者支援施設と徳之島高校がサポート。生産技術支援は、コーヒーに関する先端農業科学を研究する国際的な研究機関ワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)認証のコスタリカ種子会社Sanpol社が農業技師を派遣し、徳之島コーヒー生産者会への育苗・栽培の指導を予定している。