新型コロナウイルス 内食需要を喚起 意外な伝統食品も

新型コロナウイルス感染拡大の影響が乾麺にも及んでいる。コメやパン、インスタントラーメンが品薄になったことで、主食であり保存性の高い乾麺に注目が集まっている模様。PBや低価格NBを中心に動きよく、関係者によると「夏の需要期並みの注文が来ている」という。

乾麺、予想外の商戦スタート

そうめん、ひやむぎ、うどん、そばは、春の棚替えに備えてこの時期は在庫が潤沢にあるものの、予想外のスタートダッシュに対応に追われている。讃岐や播州の西日本エリアでは、中国や香港からの引き合いも強く、輸出量が急激に伸びている。外食が日常のこれらの国でも自粛ムードで内食率が高まっているからだ。

年間稼働する機械麺メーカーは、急遽生産計画を変更し増産体制に入った。また極寒期に生産する手延べそうめんは3~4月にひと段落するが、生産組合や企業では生産期間の延長を検討する動きも出てきた。

その一方で、原料を不安視する声も聞こえてくる。そば原料の玄そばの国内自給率は推定20%ほど、残り80%は輸入品でその多くが中国に頼っている。産地は奥地の内陸部に点在しており、物流の停滞で日本への輸出が現在ストップしている状況。中国以外にアメリカやロシアなどもあるが、契約栽培が基本で急なシフトは難しい。今後、収束、輸入再開されなければ中国産が枯渇する可能性も出てきた。そばメーカーや商社の国内在庫量を考えると「5月がターニングポイント」との見方が強まっている。

レトルトカレー、メーカーの受注急増 災害時上回る影響の広がり

一方、政府が全国の小中・高等学校の臨時休校の要請を発表して以降、レトルト食品の受注が拡大している。備蓄食材としても活用されるレトルト食品。自然災害などの後に注文が急増する例はあったが、その場合、受注増は被災エリアに限られていた。全国一斉に休校となった今回は比較にならないほど影響が大きい。

レトルト食品の発注が拡大したのは、即席麺などと同様に休校の間の子どもの食事としての需要もあるが、実際のところ商品は店頭に行きわたっており、今のところ品切れの心配はない。ただ、現段階では終息時期が見えないため、メーカーは対応に戸惑っている。

レトルトカレーやレトルト丼などを製造している江崎グリコでは、休校要請が発表されて以降、レトルト製品全般の受注が拡大しており、出荷が追いつかず、すべての注文に対応できていない状況となっている。

同じくレトルトカレーを製造するハチ食品も、休校が発表された翌日の2月28日から受注が殺到。在庫も少なくなり、一部商品ではすでに欠品の状況だ。また、過去の自然災害による特需と異なり、甘口の商品の注文が増えているなど休校の影響が浮き彫りになっている。