クリスマスに「シードル」を 上方修正目標達成見込む メルシャン

昨年、今年は踊り場の感がある国内ワイン市場だが、中長期的には伸長が続くとの見方が大半だ。ただ、購入者の飲用は増えるものの、購入者自体は大きく広がらず、間口拡大が課題とされている。

間口が広がらない背景として「敷居の高さ」が指摘されている。ワインは難しいなどといった意識が気軽な飲用を妨げているとされ、「ワインバリア」とも言われる。

メルシャンは19年戦略のポイントのひとつに、飲用機会創出による間口拡大を狙い、市場規模が大きく消費者の認知度も高い酸化防止剤無添加ブランドの傘の下で、特に女性に人気の「シードル」というシーズを活用することとし、3月に「おいしい酸化防止剤無添加ワイン シードル」を発売した。リンゴは痛みやすいものだが、独自の技術で無添加を実現している。

ワインの飲用量が少なく、RTD(缶チューハイ)など他酒類との回遊も多いライトユーザーには、「自然な感じ」「リンゴ100%」といったRTDにはない価値に需要があるとみて訴求。通常のワイン飲用層が30代後半~50代であるのに対して、この商品では一世代下の20代後半~40代をターゲットとし、狙い通りに推移した。

販売は好調で、発売3週間で年間販売目標の約5割を出荷。3か月で目標を2倍となる8万箱へ上方修正、年内達成見込みだ。

リンゴのスパークリングワインであることが受け入れられているといい、食事に合わせやすいといった声が寄せられている。ALC度数は5%と通常のワインより低く、500㎖であることも気軽に手に取れる要因とみる。購入者のリピート率も高いという。

またワインに多い食中酒としての飲用だけでなく、食後などのくつろぎのシーンでも飲まれており、このような点に今後の展開のヒントがあるとみる。

11月26日には「同 グレープフルーツシードル」を数量限定で発売。両品併せてカジュアルスパークリング企画としてクリスマスなど年末商戦へ提案し、店頭でも大きく訴求を図る。

間口の拡大を果たすには飲用シーンを増やす必要があり、そのためには消費者の気付いていないシーンや価値をどれだけ提案できるかにかかっている。同社担当者もカジュアルスパークリングにチャンスがあるとみており、シーンの課題と合わせて今後の展開を検討するとしている。