“国産青のり”危機 気候変化で大幅減続く 河口あきらめ陸上養殖へ

スナック菓子から水物やたこ焼きまで「青のり」の風味を利用した商品は多く、青のり原料(国産アオノリ属のみ)だけの市場規模は約10~15億円だが、配合商品は数百億円規模に膨らむのも特徴。かつて有名だった四万十川産はほとんど採れなくなり、現在の主力は徳島県産(スジアオノリ)で、次いで愛媛県産(ウスバアオノリ)となっている。

その徳島県産の大幅減が続いている。昨年度(18年11月―19年4月頃)の共販量が約12~13tで、その前年は約24tだったので半減。4年前(14年―15年)は豊作の約100tだったので減産率は8割強となる。2014年以前の平年作を約60~80tと見ても、前年度の減産率は同様に8割を超える大幅減だ。

さらに、今年度(19年―20年)年内生産見込みは約3tとなっており、昨年同期実績9tの3分の1しかない。年明けの生産で挽回もあるが、基本的に年内分がシーズントータルの8割以上を占める傾向があり、過去の不作時も期待したが空振りだったことも多い。

不作原因は秋冬の水温が高いこと。水温降下が遅いと養殖網への種付けが遅れるし、水温も12~13℃の適温でないと色良く伸びない。黒のり(一般的な海苔)も前年度は46年ぶりの大凶作だったが原因はほぼ同じ。また、今年度は10月末に遅れて本張りとなったが、理由は台風襲来。近年は大型化して頻度も増え、過去には養殖網が丸ごと流失したこともあった。こうした気候変化が青のり養殖に適さなくなっている。

価格は当然高くなる。今年度の年内分でkg当たり6万円を超えて史上最高値を更新した。平均価格も4万円台半ばで、昨年と同じく高値張り付きが続いている。年間60~70t生産していた5~6年前までは平均単価も6~8千円で、高値でも1万2千円ぐらい。それが3倍以上の高騰ぶりだ。

黒のりと同じく青のりも海外産(中国、韓国)があるが125tの輸入枠(IQ枠)がすでに限度いっぱい。食品大手ユーザーは「国産青のり」をあきらめて海外産への切り替えが進んでいる。ただ、もう1つ「国産青のり」がある。それが陸上養殖だ。海(河口域)をあきらめて陸上で生産するというもの。陸上と言っても青のりは汽水が必要なので海辺になるが、地下海水を汲み上げてプール養殖をする。年々事業者が増えており、全事業者の生産量を合計すると10tは下らないとの見方もある。

また、アオノリ属の代替的に使われるアオサ(三河湾が主漁場)も国産はかつて600~700tと呼ばれていたものが現在は200t台に減少。代わって中国産が300tだったものが800t規模に膨らんだ模様だ。今後は逼迫するスジアオノリの輸入枠拡大に向けた動きもあり、気候に合わせて調達状況の変化も続きそうだ。