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FtoP製造ラインを増設 協栄産業と水平循環型リサイクル推進 サントリーMONOZUKURIエキスパート

サントリーホールディングスは18年春、ペットボトル(PET)リサイクルの一部の工程を省くことで環境負荷低減と再生効率化を実現する「F to Pダイレクトリサイクル技術」を協栄産業などと共同開発した。協栄産業が同技術を用いてプリフォームを製造しサントリー食品インターナショナルの一部の商品に採用している。3月29日、協栄産業の「東日本 F to Pファクトリー」(茨城県笠間市)で開かれた説明・見学会でサントリーMONOZUKURIエキスパートの高田宗彦チーフスペシャリストはPETリサイクルを取り巻く環境や水平循環型リサイクル推進にあたっての課題についておおむね次のように語った。

「全PETの半数以上に再生品を」

容器包装リサイクル法(容リ法)が施行される前の92年に、「指定PET自主設計ガイドライン」を制定し、それを進化させて取り組んできている。15年にBottle to Bottle(ボトルtoボトル)対応ガイドラインを追加しリサイクルを推進している。

国内でリサイクルされて再資源化されている量は、約60万tの販売量の約85%。これは欧米に比べるとはるかに優秀な数字で、日本は世界最高水準のリサイクルを維持している。

こうしたなか、昨年11月に海洋プラスチックごみ問題を受けて全国清涼飲料連合会(全清飲)が「清涼飲料業界のプラスチック資源循環宣言」を発表し、サントリー食品インターナショナルは25年までに全PETの半数以上に再生PETを使用することを宣言した。その前にコカ・コーラはグローバルですでに宣言し、今年に入ってアサヒ飲料、キリンホールディングスも宣言した。

各社、目標到達年数や数値目標の表現が異なるものの、業界全体で全清飲の宣言に賛同し取り組む姿勢を表明した。

全PETの50%を再生PETにすると仮定すると、水平循環型リサイクル推進の最大の課題は収集にあると考えている。先ほど約60万tの販売量に対し再資源化率は約85%と述べたが、回収率は約90%で50万t強が回収されている。

回収方法は家庭から出たものを自治体が回収する自治体系と、自販機・コンビニ・スーパー・オフィスなどで回収される事業系の2種類がある。販売量約60万tの50%を再生PETでまかなうと考えると、歩留まりを含め30万t以上の原料が必要となる。

50万t強回収されているので足りているように思われるかもしれないが、海外に流出している。18年11月頃に中国が資源ごみを禁輸し、これにタイ、ベトナム、マレーシアが追随したが、徐々に解禁され、年末になると韓国が急増し廃PET(破砕品)の輸出量はほぼ元の水準となってしまった。

ワンウェイというのは、PETが一度リサイクルされて繊維やシート、卵パックになると、その他プラスチックの扱いとなり、使用後は埋められるか燃やされるかされて一度しかリサイクルされない。

環境省も推奨している水平循環型リサイクルは、PETをPETに戻すことにあるが、原料調達に当たっては繊維やシートといった用途との争奪戦となっている。17年実績は、23万以上海外に流れ、国内約30万tのうち一番多いのがシート(11万8千t)。PETは繊維と同じ約6万tで、これを30万t以上にしないといけない。

質の良いPET資源を集めるのが一番の課題で、そのためには何より消費者の捨てる際の意識向上が不可欠。

①キャップをはずす
②ラベルをはがす
③中を水洗いする
④つぶす

――が正しい分別で、家庭ではやっていると思うのだが、悲しいかな自販機横など屋外では正しい分別のインフラが整っていないこともあり、キャップもラベルもつけたまま捨てられる。一番困るのはPET以外のゴミが回収ボックスに入れられることで、非常に悪影響を与える。

自治体・回収事業主の回収方法にも問題がある。缶や瓶と一緒に回収している一部の自治体や回収ボックスも容器別に2つくらいの投入口を設けているが、ボックスに入っている袋は一つなので混ざっているのが実態となっている。瓶は割れてPETに混入してしまうとなかなか除去できない。

自治体系と事業系の枠組みを超えた回収スキーム・回収システムの構築も不可欠。事業系・自治体系を含め全部バラバラに回収している。エリアをまとめて全部集めるのが一番効率的だが、法律の絡みもあり個社では動けない。業界挙げて、自治体と一緒になって訴えていく仕組みをつくれないかと考えている。

サントリー食品インターナショナルは17年の再生PET使用量は全PET18%の2万tを記録。25年についてはこの割合を50%に引き上げるため、FtoP製造ラインの2ライン目の増設を本日(3月29日)発表した。

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