逆風下のチルド食品 環境変化への対応に苦慮

「本物を扱っているカテゴリーの開発の立場からすると、非常に切ない方向に向かっている。本当においしいものは何なのか、分からなくなっていく。そうは言っても、お客さまの求める志向に寄り添っていかなければいけない時代だ。本格的な商品にも力を入れていくが、それだけではすべて(のニーズ)を満たすことはできない」(メーカートップ)。

チルド食品の苦戦が続いている。「チルド餃子(ギョーザ)・焼売(シュウマイ)、中華まんは上期売れ行きのいい商品がない」(小売)、「今期のチルド麺市場は低調と言わざるをえず、業界全体として前半戦は厳しい着地になるだろう」(メーカー)といったように製販とも厳しい見方を示す。

餃子や焼売は惣菜や冷食に押され、チルド麺はCVSの麺弁当、冷凍麺、即席麺などとの競争が激化していることに加え、前下期は暖冬、今上期は長梅雨の影響により東日本エリアでチルド麺の冷し中華が大苦戦となるなど、天候にも見放された。

軽減税率の対象とはいえ、10月からの消費増税により生活者の商品選択眼はこれまで以上に厳しさを増すものと予想される。簡便性や即食性で競合カテゴリーに対抗でき、おいしさで勝り、しかも値頃感のある商品を開発投入する。チルド食品はいまや、とんでもなく高いハードルを課せられている状況だ。

今秋のチルド麺市場には、「即食」「簡便」「個食」に対応した商品や健康機能を訴求した商品が続々と投入されている。餃子・焼売などを含め、チルドならではの価値をいかにして訴求していくか。少子高齢化により、日本人の胃袋は数量とも縮小し、拡大は望めない中、模索が続いている。