アイス、梅雨寒で打撃 今週からの挽回に全力、販促へ奨励金も

営業所は在庫で満杯

スーパーに並ぶ商品で、最も天候や気温の影響を受けるのがアイス。記録的な低温、日照不足が直撃し、先週金曜日(19日)までの時点でメーカーは前年の80%を下回る売上げとなっている。卸や営業冷蔵庫はどこも満杯で、製造を止めたラインも出始めた。週末の台風でようやく梅雨明けも見えてきたが、業界の苦労はこれからが本番のようだ。

東京都心では7月5~12日まで8日連続で最高気温が25度未満。これは、記録的な冷夏となった93年の7月17~24日の記録に並ぶもの。その後も25度未満の日は19日までに2日ほどあり、梅雨寒の下、アイスはほとんど動いていない。アイスクリーム系が強いハーゲンダッツや森永乳業、森永製菓は何とか前年の80%に乗せているが、氷菓系が中心となる赤城乳業やロッテ、グリコは70%台、アイスによっては70%を切るものもある。

まさか、こんなに気温の低い梅雨が長引くとは考えもしなかったメーカーは、例年通り6月の下旬にはどのラインもフル稼働の生産体制に突入している。アイスができれば卸や営業冷蔵庫に持っていくが、今シーズンはそこから先が動かない、出ていかない。7月中旬の時点で、大手コンビニは前年の50~60%、スーパーは70%弱という状況から、市中のあらゆる冷蔵庫はアイスで膨れ上がった。

今週からは梅雨明けとはいかないまでも、気温は上昇する予報が多くなった。暑くなればアイスは動き始め、梅雨が明けて夏本番となればアイスの最盛期を迎えるが、これまで貯め込んだ在庫をお盆過ぎまでに適正在庫へ戻せるか不安が残るため、これからはスーパーなどへ販促奨励金が出ていくことになる。

今は各メーカーがそれぞれの得意分野を持ち、主力商品に絞った生産を行っているため、以前のような特売条件が乱れ飛ぶようなことにはならないが、適正在庫の水準までは、ある程度の条件は出さざるを得ない。秋冬向けの新製品を在庫するスペースがなく、7月の混乱を秋以降まで引きずることは何としても避けたいからだ。

2年続けて7月の天気に翻弄されたアイス業界だが、夏が悪ければその年は終わりではなく、夏のマイナスを少しでも挽回できる環境にもなりつつある。