塩水港精糖は10日、本社で決算会見を開き前期概要と合わせて丸山弘行常務が代表取締役社長に昇格するトップ人事を発表した。山下裕司社長は副会長に就き、久野修慈会長とともに後進の指導に当たる。また、伊藤哲也常務と小田俊一取締役が専務取締役となり丸山社長を支える。丸山社長は1970年6月30日生まれの48歳。上場砂糖企業で40代社長が誕生する。
前3月期の決算概要は砂糖事業が売上げ3.5%減、セグメント利益は12.3%増となり、業務用は堅調ながら家庭用の減少を受けて減収。しかし、原糖の買い付けタイミングが良かったことや製造コストの低減に努めたことで増益となった。バイオ事業では「オリゴのおかげ」の拡販に注力し販売量、売上高ともに前期実績を上回った。
会見には久野会長も同席し、今回の人事や令和時代の砂糖業界について次のようにコメントした。山下新副会長、丸山新社長も就任コメントを述べた。
久野会長
令和を迎えて若い人が時代を背負っていく時期がきたと思う。当社だけでなく砂糖業界の問屋、メーカーを含めて新しい時代にどう対処するか。若い人が責任をもって打開していかなくてはならない。当社はプロパーの若い人を育ててきたが、こういう時代の変化の中で責任をもって突破してもらう。そういう抜擢だ。
また、砂糖業界全体としては問題を抱えて静まり返っているが、それが続くということもない。需要減少の中で国際的な変化も出てくる。新たな対応を選択していかなくてはならない。
令和時代は楽観できないし、突破するだけのリーダーシップを持つ必要がある。わが社としては若い人がリーダーシップを取って会社を引っ張ってもらわなければならない。
山下副会長
5年前の5月1日に社長に就任して丸5年務めたことになる。それ以前に約6年、太平洋製糖の社長をしていた。昭和58年、平成13年に共同生産が始まり、先輩方が融和に尽力されていた流れを受け継いだ。これからの新体制に私が持っている経験やノウハウを引き続き伝えていきたい。
丸山社長
光栄ながら責任の重さを痛感するばかりである。当社は創業115年目を迎える節目であり、私も入社して25年目。オリゴ糖製品の「オリゴのおかげ」が市販化されてからも25年目の節目に当たる。何か背中を押してもらえるタイミングを感じている。これは責務じゃないかと受けることになった。まだまだ若輩で、これまでオリゴ糖を中心に業務を担当していた関係もあり、諸先輩方にご指導をいただきながら頑張っていきたい。