夏の暑さが過酷化する中、サントリー食品インターナショナルは「GREEN DA・KA・RA」ブランドで子どもを対象にした熱中症対策啓発活動を強化している。
サントリーは、地面の照り返しの影響差などにより、子どもの高さで計測した温度が大人と比較して+7℃程度になる子ども特有の暑熱環境を「こども気温」と称し2023年から啓発している。
この一環で今年から日陰にも着目。6月にウェザーマップ社と共同で検証実験を実施したところ、子どもにとって「いい日陰」はそうでない日陰と比べて熱中症警戒レベルが1段階下がることが判明した。
「いい日陰」とは、大きなイチョウの木陰といった、大きく、風が抜け、木や草などの自然の近くにある日陰を意味する。
サントリーは、この「いい日陰」の3つの特徴“おおきいひかげ”“かぜがとおる”“しぜんのちかく”の頭文字をとりキーワードを「夏のお・か・し」と定め、子どもにも分かるように訴求している。

「こども気温」とともに、この「いい日陰」について広く知らしめるべく、7月23日から25日までの3日間、猿江恩賜公園(東京都江東区)で親子向け体験イベントを実施している。
イベント初日、取材会に臨んだサントリーの井島隆信SBFジャパンブランドマーケティング本部課長は「夏場がこれだけ過酷化して災害級の暑さになっている中で、飲料を飲んでいただくだけでは対策としては不十分と考え、夏をいかに快適・安全に過ごしていただくかという我々のブランド思想のもと、このような啓発活動を行っている」と語る。
過酷化する暑さについて、ウェザーマップ社所属の気象予報士・多胡安那さんは「今日、東京では33.0℃を超えた。昨日は大暑だが、今年は暦を前倒しするような猛暑。5月には岐阜で最高気温35.0℃、昨日の京都・福知山の最高気温は今年の全国最高となる39.0℃を観測した。毎日暑さを更新するような状況が続いており、大人でも汗だくだが、子どもはもっと過酷な状況に置かれる」と警鐘を鳴らす。
イベントは、親子が無料・予約なしで体験できるように仕立てられている。
メインは公園内に4つの日陰スポットを設け、4つの中からベストな日陰を探す「日陰ハンティング」。参加者には体験後に「日陰博士」認定ステッカーが贈られる。

そのほか、「こども気温」「夏のお・か・し」を解説したパネルや、冬用コートをまとって+7℃の「こども気温」を疑似体験できるコーナーを設け、救急救命士による約5分間の熱中症対策講座が実施されている。
会場では「GREEN DA・KA・RA」本体と「GREEN DA・KA・RAやさしい麦茶」の無料配布も実施。配布本数は計3000本を用意している。
井島課長は「『いい日陰』は、そうでない日陰と暑さ指数の差が2.9℃もあり、これは熱中症警戒レベルの区分が変わるほどの大きな差。日陰の質を意識している方は意外と少ないと思われる。イベントで『いい日陰』を覚えて熱中症対策に活かしてほしい」と述べる。
多胡さんも「お子さまの好きなお菓子と同じ音で覚えやすい『お・か・し』で暑さから逃げ、水分補給をして熱中症にならないようにしていただきたい」と呼びかける。
イベントは東京都が後援。取材会では、熱中症対策を啓発する東京都の小池百合子都知事のメッセージが代読された。
井島課長は「東京都さまは熱中症対策を社会課題として重視され、思いが同じということでご後援いただけた。これからより強力に推進していきたい」と力を込める。