鈴木隆一氏、旭日小綬章受章記念祝賀会 でん六社長・日本ピーナッツ協会理事長の功績称える

 昨秋に旭日小綬章を受章したでん六社長で、日本ピーナッツ協会理事長の鈴木隆一氏(70)の旭日小綬章受章記念祝賀会が3月21日、ホテルメトロポリタン山形(山形県山形市)で開かれた。

 各界から約200人が出席し鈴木氏の功績を称えた。

 発起人代表挨拶した日本ピーナッツ協会の田畑繁前理事長は「ピーナッツ業界にとってかけがえのない人。でん六さまのDNAを確実に引き継がれている」と鈴木氏を評する。

 でん六にピーナッツを供給するサプライヤーの立場から、DNAの1つに品質の追求を挙げる。

 戦後の食糧不足時代、でん六は品質を重視。
「原料に対して、でん六規格という非常に厳しい規格を設定されていた。当時、業界では質よりも量が求められていたが、頑なに品質にこだわられていた」と田畑前理事長は振り返る。

 安全安心の取り組みや機能性の研究においても、でん六は先駆的な役割を果たしていたという。

 「輸入原料に関しては、品種や産地や畑のトレーサビリティを確実に設定され、業界にとっては先駆的な手法だったと言える。加工技術においても業界人が追随できないような技術を持たれ、カビ毒に汚染された豆を選別できる高価な機械も率先して導入し実績を上げてこられた」と説明する。

 落花生・ピーナッツの機能性研究については「日本大学や山形大学との共同で多岐にわたり研究されている」と述べる。

 慶應義塾大学医学部の井上浩義教授は、祝辞を述べるとともにミニ健康講座と題して落花生・ナッツの健康価値を紹介。海外の研究データを引き、痩身、心臓・血管の病気の予防、認知機能向上の効果をわかりやすく伝えた。

 鈴木氏は1979年、でん六入社し、2002年に社長就任。顧客第一主義・相互信頼の経営を徹底し「でん六豆」を全国ブランドへと成長させた。

 祝辞の挨拶で「鈴木様のご功績は企業経営に留まらず、蔵王の森工場における排水処理・リサイクルによる肥料づくりや緑化などの環境問題への取り組みをはじめ、山形県金山町での落花生の産地化による農業振興・地域活性化にも貢献されている」と称えるのは、山形県の吉村美栄子知事。

 でん六が行っている「モンテディオ山形」「パスラボ山形ワイヴァンズ」などの地元プロスポーツチームのスポンサー事業や山形交響楽団の「さくらんぼコンサート」への協賛事業にも触れ「スポーツ・文化の発展にも貢献されている」と語る。

 鈴木氏の人柄については「本当にブレない方。本当に各界の方々から信頼され、お人柄が素晴らしく、人望のある方だと思っている」と称賛する。

 続いて山形市の佐藤孝弘市長も祝辞を送り、全国落花生協会の角谷徳道専務理事は同協会・根本実理事長の祝辞を代読した。

 鈴木氏は「理事長を務める日本ピーナッツ協会は長年にわたりピーナッツの安全対策や品質向上などの活動を行い、農産物加工業発展の一翼を担ってきた。このたびの受賞はこれまでともに活動を積み重ねてきた関係者の皆様の努力の結実であり、成果の結晶と受け止め大変嬉しく思っている」と謝辞を述べると会場は大きな拍手に包まれた。

 祝賀会では、祝辞後、鈴木氏の孫が花束、落花生輸入商社協議会の酒井淳也会長が記念品を鈴木氏に贈呈。
 乾杯の発声は山形商工会議所の矢野秀弥会頭が務め、山形経済同友会の前田直之代表幹事が万歳三唱にて中締めを行い、でん六会の吉田福平会長が閉会挨拶した。

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