eギフトプラットフォーム事業を展開するギフティは、カタログギフトを編纂・生成するサービス「カタログギフトシステム」を開始した。
同システムでつくられたカタログギフトは、ギフトの貰い手にとって価格がわかりにくく、総合的な品揃えからではなくブランドやコンセプトの枠組みから選べるようになっている。
5月1日、ハンズ新宿店・梅田店・博多店のポップアップストアで、同システムでつくられたカタログギフト16種類の展示・販売を開始した。
16種類の1つ、日本全国・世界各地のクラフトビールを扱う「Otomoni(オトモニ)」のカタログギフトでは100種類以上のビールの中から複数を選べるようになっている。
レストランギフトや旅と体験のカタログギフトも取り揃える。

デジタルギフトだが、手渡ししたいニーズに対応すべく、URLを二次元コード化しデザイン性の高い紙のオリジナルパッケージやカードなどに印刷して展示している。
貰い手はURLや二次元コードからカタログギフトの専用ページにアクセスして商品を選択する。掲載商品にポイントなどは表示されておらず、贈呈されたチケット枚数内で商品を自由に組み合わせることができる。
このチケット制でギフト感を演出する。
1日、ハンズ新宿店で取材に応じた田渕恵理第2事業本部副本部長は「ポイントを表示してしまうと、ギフトを受け取られた人に価格帯が知られてしまう。もちろん調べれば分かるのだが、受け取った瞬間にわからないというのが重要だと考えている」と語る。

今後、「カタログギフトシステム」を法人に向けて売り込んでいく。
数十円から選べる価格帯のカジュアルなeギフトから開始した同社の成長戦略の一環で、多様なギフトニーズに対応していく。
「提供先は大きく2つ考えている。1つはキッチンやベビー・キッズ、食品などのブランドさん(ブランドオーナー・コンテンツパートナー)。もう1つは法人。創業記念や従業員の福利厚生のニーズに対応していきたい」と説明する。
ブランドオーナーのメリットは、カタログギフトが容易につくれ、ブランドと生活者の接点拡大として利用できる点にある。
「カタログギフトを自前でつくろうとすると工数や費用を要するため“つくりたいけど、なかなかできない”というお声をいただくことがある。冊子してしまうと在庫の問題も発生する。これまで5000円や1万円のカタログギフトに自社商品を数品提供されることはやられていたと思うが、1つのブランドだけでつくれるサービスはなかなかないと思う」と胸を張る。
「カタログギフトシステム」の料金体系は、初期費用、月額システム利用料、カタログギフトURL発行手数料。
販売代理契約のオプションも用意している。
ギフティは2010年8月に設立。11年3月、カジュアルギフトサービス「giftee」を開始。2019年9月に東京証券取引所マザーズに上場。
前期(12月期)業績は、売上高95.5億円(前年比32.2%増)、EBITDA22.9億円(32.8%増)、営業利益17.4億円(37.6%増)、経常利益15.7億円(27.5%増)、親会社株主に帰属する当期純損失5.1億円。
事業の柱は以下の4つ。
――個人向けgifteeサービス(会員数232万人・売上構成比2%)
――法人向けgiftee forBusinessサービス(ディストリビューションパートナー2028社・売上構成比83%)
――小売店向けeGift Systemサービス(コンテンツパートナー267社・売上構成比12%)
――自治体向け地域通貨サービス(売上構成比3%)
矢野経済研究所「2024ギフト市場白書」をもとに同社が算出したデータによると、2023年ギフト市場規模は10兆8930億円。内訳はカジュアル領域6兆円強(パーソナルギフト5兆4690億円・法人ギフト1兆3695億円)、フォーマル領域約4兆円。
潜在市場については、個人ギフト市場で約8兆円、法人ギフト市場を包含する販促市場で約15兆円、福利厚生市場で約7500億円と推計する。
![]() |
![]() |