日の出屋製菓産業(富山県)は、水分が大敵な米菓で生のあんこをサンドした新商品「あんとろべい」の開発に漕ぎつけ米菓業界に新風を吹き込む。
原料米価格の高騰などコスト環境が厳しくなる中、高付加価値商品で単価アップを図り持続可能な成長につなげていく。
取材に応じた川合洋平社長は「当社の品づくりの理念“類ありて比なし”に則り、世にないオンリーワンの商品開発を目指し開発に2年を要した」と振り返る。
同社の看板商品は、富山湾で獲れた白えびと富山米でつくられた「しろえび紀行」。
今回、「しろえび紀行」に次ぐ新しい富山土産として、かねてから、白えびせんと和菓子である生のあんことの組み合わせを試行錯誤を重ねて実現した。
「米菓は湿気が大敵であり、少しでも水分が入るとダメになる。生のあんこの水分の移行を防ぐため、生のあんこをチョコレートで包み込み、パリッとした米菓の食感ととろりとした和菓子の食感を両立させた」と説明する。

餡を閉じ込めるにあたり既存の米菓生地では対応できず微調整を必要とした。
「米菓専門の機械メーカーさまではなく、お菓子専門の機械メーカーさまやチョコレートメーカーさまのご協力を得ながら専用のラインを設けた」という。
味わいは、白えびせんの旨味と餡の甘さが口の中で広がるようになっている。「米菓の中で甘じょっぱい味わいに大きなニーズがある」と勝算を見出す。
「SHIRO SASARAYA」ブランドの商品として5月から「SHIRO SASARAYA」のポップアップショップやEC、「ささら屋」の数店舗での発売を予定する。
1枚ずつ個包装され、3袋入り・6袋入り・12袋入りを取り揃える。
販売価格は検討中。「1枚200円あたりを考えている」と述べる。
3Dで製品特徴を描いた動画を用意してSNSなどで発信してアピールしていく。
「あんとろべい」の開発を契機に、さらなる新商品の開発も視野に入れる。
「自社工場で和菓子の製造設備が整ったことに加えて、今回、私も含めて開発メンバーは和菓子やチョコレートといったこれまで知りえなかったことを多く吸収でき、多くのご指導もいただいた。開発専任のメンバーも増やして、今回の経験を活かした商品づくりを今後も行っていく」と意欲をのぞかせる。
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