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飲料嗜好飲料コーヒー豆相場が史上最高値を更新する中で価値提案を徹底する小川珈琲 春夏の目玉は新商品「小川珈琲店キリマンジャロブレンド」

コーヒー豆相場が史上最高値を更新する中で価値提案を徹底する小川珈琲 春夏の目玉は新商品「小川珈琲店キリマンジャロブレンド」

 コーヒー豆の国際価格が連日史上最高値を更新し続け、家庭用コーヒーの店頭価格が値上げ基調にある中、小川珈琲は価値訴求を堅持して需要を喚起していく。

 増田隆教総合開発部部長代理は「価値を高めるべく、ブレンドやアソートでどれだけ新しい提案をしていくかに尽きる」と力を込める。
 春夏に向けては、新ブレンドとして「小川珈琲店 キリマンジャロブレンド」(140g粉)を3月1日に新発売した。

 同商品について「認知の高い銘柄は、モカブレンド、キリマンジャロブレンド、ブルーマウンテンブレンドなど。聞き馴染みのある特定銘柄のブレンドから新たな価値を提案したいと考えた。過去にもキリマンジャロブレンドを販売していたことがあったが、今回、タンザニアで我々としっかり取り組んでいける農園との関係が構築でき、その農園のコーヒー豆を使用した新ブレンドとして発売する」と説明する。

 「小川珈琲店シリーズ」では、原料を生産地とともにつくり上げる独自基準を満たした小川珈琲専用豆ARKを原料全てに使用している。

 農産物であるコーヒー豆は産地の気候などによって毎年作柄が変わり味わいに影響が出るという大前提の下、同社は味わいの維持を最優先して産地からサンプル調達した豆を有資格者によるカップテストを実施。同社が求める基準に合うまでサンプルをやり取りして豆を選定している。

増田隆教氏
増田隆教氏

 「キリマンジャロブレンド」のブレンドに使用したARKキリマンジャロは、タンザニアの中でも北部キリマンジャロ山麓にあるモシ地域の高い標高で栽培されたもの。カッピング評価が高く、栽培・収穫から精選まで一貫した管理が行われている。

 味わいのポジショニングは、シリーズ内ではやや手薄な領域である酸味に重きを置いた。「きれいな酸味があって、すっきりした味わい」と胸を張る。

 「キリマンジャロブレンド」「小川プレミアムブレンド」「コーヒーショップブレンド」のドリップコーヒーをアソートしたバラエティパック「小川珈琲店 小川珈琲コレクション ドリップコーヒー」(7杯分)も同時期に新発売した。

 「これまでバラエティパックは『小川珈琲店 有機珈琲シリーズ』のみを展開し、近年、好調に推移している。アソートへの支持も高いことから、今回、「小川珈琲店シリーズ」から初めてアソート品を投入した」という。

 カフェインレスコーヒー市場の拡大を受けて、生協や宅配チャネル向けに「小川珈琲店 有機珈琲 カフェインレスモカ」の大容量商品(30杯分)を新発売してロイヤルユーザーのニーズに対応する。

 カフェインレス商品の今期(9月~1月)売上高は商品により伸長率は異なるが、前年比約10~70%増と好調。ECでの伸長や新規採用により価格改定後も伸び続けている。

 既存商品では、「小川珈琲店 有機珈琲シリーズ」と「春」「夏」「秋」「冬」の期間限定コーヒーシリーズで続伸を見込む。

 春夏のアイスコーヒー需要に向けては、好調に推移しているリキッドコーヒー既存品の2「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」(炭焼珈琲)シリーズのほか、カートカン「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」シリーズや昨春に再投入した希釈コーヒー「京都 小川珈琲 炭焼珈琲 カフェオレベース 無糖」を提案強化していく。

 「炭焼珈琲」シリーズ3品(無糖・微糖・加糖)の前期売上高は微増で着地。伸長率と金額構成比の内訳は、無糖(構成比約70%)、微糖(構成比約20%)、加糖(構成比約10%)となった。

 同シリーズから昨春発売した「有機珈琲 無糖」(有機珈琲 無糖)も前期、参考小売価格700円の高単価商品ながら善戦。今年も「有機レギュラーコーヒー市場が拡大していることもあり、味わいのご評価も高く、まだまだ伸びていく」と期待を寄せる。

 同社によると、有機レギュラーコーヒー市場は2024年暦年で前年比10%程度伸長したと推定。レギュラーコーヒー市場に占める構成比も23年の3.7%から4.1%に上昇。市場が拡大する中で、同社は8割近くのシェアを維持している。

 カートカン「京都 小川珈琲 炭焼珈琲」は「カフェオレ 加糖」と「ブラック 無糖」をラインアップし、前期売上高は約20%増。牽引役は「カフェオレ 加糖」で約30%増を記録した。

 希釈コーヒー「京都 小川珈琲 炭焼珈琲 カフェオレベース 無糖」は前期、本格的なコーヒーの味わいが支持され、想定上回る販売実績となった。

 今年も引き続き、コーヒーゼリーなどデザートの原材料としての活用も訴求して拡大を図っていく。

 高まるコストアップへの対応については、計16品のレギュラーコーヒーの粉と豆商品を現行の160gから140gに減量して出荷価格を据え置き、「炭焼珈琲」シリーズ3品(無糖・微糖・加糖)の価格改定を実施する。3月1日から、新容量・新価格の商品を順次導入していく。

 レギュラーコーヒー14品は、減量に伴い包材の使用量も削減。「封シールの廃止と商品上部の折り込みを無くした」という。

 「炭焼珈琲」シリーズ3品の小売店の実質店頭価格は約15%上昇見込む。

 なお、昨年9月1日に、「小川珈琲 スペシャルティコーヒーブレンド シリーズ」を除く家庭用コーヒー全品(約60品)を対象に価格改定を実施した。

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