飲料嗜好飲料コーヒーやティーのアイスメニューが一杯分ずつ簡単にできるポーション 温暖化傾向などを受けて味の素AGFが市場創造へ本腰

コーヒーやティーのアイスメニューが一杯分ずつ簡単にできるポーション 温暖化傾向などを受けて味の素AGFが市場創造へ本腰

 味の素AGFは、ポーション市場創造へ本腰を入れる。スティックなどと並ぶカテゴリに拡大すべく、商品を拡充するとともにポーションの魅力を生活者に伝達することを強化していく。

 ポーションはコンク(濃縮)の一形態で、コーヒーやティーのアイスメニューが一杯分ずつ簡単にできるのが特徴。

 特に一杯分ずつ開けたての味わいが楽しめるという点で紙容器入り・ペットボトル入りのコンクとも異なる価値を有しており、さらなる成長余地を見込む。

コーヒーやティーのアイスメニューが一杯分ずつ簡単にできるのが特徴
コーヒーやティーのアイスメニューが一杯分ずつ簡単にできるのが特徴

 保管スペースをとらず常温保存できるのも特徴となっている。

 ポーションはそもそも春夏の季節商材であったが、温暖化や市場拡大の影響を受けて、通年販売する売場が増えつつあるという。

 外部環境について、2月28日、取材会に臨んだ中澤正規執行役員は「気候変動によって、降るべき時期にブラジルで降雨がなく相場上昇の一因になっているほか、消費においても、これだけ暑くなってくるとアイス飲用化がどんどん進んでくる」との見方を示す。

 温暖化が続くとの見立てに加えて、アイスの飲用スタイルが、コーヒーエントリー層である若年層からも好まれる傾向にある点に勝算を見込む。
 コーヒー豆が歴史的に高騰する中、コーヒー豆を最大限活用できるカテゴリの1つとしても注目する。

 「コーヒー豆をできる限り絞り取って、多くの杯数に還元していくという点では、レギュラーコーヒーよりもパウダー、濃縮エキスの品揃えにフォーカスしながらビジネスを展開していきたい。加えて単なる個包装ではなく、体験の場を通じて一杯の価値を高めていきたい」と語る。

中澤正規執行役員(右)、伊藤英郎コンシューマービジネス部長
中澤正規執行役員(右)、伊藤英郎コンシューマービジネス部長

 春夏にかけて、“Let’sポーション”をコミュニケーションワードに掲げ、ポーションの魅力を生活者へ伝える施策を多数予定している。

 現在4~5%と推定されるポーションの購入率を2030年までに10%に引き上げていく。

 伊藤英郎コンシューマービジネス部長は「購入率はスティックが30%、インスタントコーヒーが40%と推定され、それらと比較するとポーションは非常に小さい。購入率を一気に引き上げ、生活者にポーションがしっかり根付くように活動を強化していく」と意欲を示す。

 商品は、ポーションの認知拡大と商品特徴をわかりやすく伝えるため、全品のパッケージを刷新。『ブレンディ』のロゴの下にあった“濃縮コーヒー”や“濃縮ティー”の文言を取り払い“ポーション”を大きくデザインした。

左から「濃縮コーヒー無糖」と「濃縮コーヒー甘さひかえめ」
左から「濃縮コーヒー無糖」と「濃縮コーヒー甘さひかえめ」

 3月3日から、新フレーバーを加えた全7品を発売している。

 このうち「濃縮コーヒー無糖」と「濃縮コーヒー甘さひかえめ」の2品は、製法を工夫して前身商品と比べて希釈量を増量しても楽しめるようにした。150mlのレシピを標準レシピとしていたのを、250ml前後の多めの量で割っても楽しめるようにした。

 これについて「アイスコーヒーはガブガブ飲まれる方が多いことが判明した。技術は社外秘だが、簡単に言うと、口の中で感じられる香りとコーヒーが本来持つ苦味のところを少しブーストできるような技術を導入した」と説明する。

「フルーツティー 3種の果物ミックス」
「フルーツティー 3種の果物ミックス」

 新商品を投入してバラエティも強化し、色々な種類の飲み物を飲みたい消費者ニーズに対応する。
 「コーヒーのみならずノンコーヒータイプでもアイスドリンク体験がどんどん豊かになるような製品ラインアップを提供していく」と述べる。

 今回、ペットボトル飲料でも人気のフレーバーのフルーツティーに着目して新発売したのが「フルーツティー 3種の果物ミックス」。

 同商品は、マスカットやピーチ、オレンジの爽やかな香りとほどよい甘みが感じられるように仕立てられている。

 東北エリアを中心としたエリア商品として、東北産りんご果汁を使用した「アップルティー」も新発売された。

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