明治は「ルミネ新宿ルミネ2」(新宿区新宿)の2階で「明治 ザ・カカオ」とクラフトブランドがコラボレーションしたポップアップイベントを1月21日から2月14日までの期間限定でオープンしている。
「明治 ザ・カカオ」を通じたカカオの価値発信と若年層へのアプローチが狙い。
同社は、2006年から独自のカカオ農家支援活動「メイジ・カカオ・サポート(MCS)」を展開している。
「明治 ザ・カカオ」は24年10月1日に発売開始。前身の「明治 ザ・チョコレート」をリブランディングしてMCS伝達強化の役割を担っている。
今回の企画意図について、1月21日、イベント会場で取材に応じた明治グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部カカオニュービジネスGの松岡真季氏は「チョコレートだけではなく、もっと枠を広げて原点のカカオの新しいおいしさを愉しんでいただきたい。(前身ブランドが)玄人向けでとっつきにくく見えてしまったところがあり、若い方や食べられたことのない方に試していただくきっかけをつくりたい」と説明する。

カカオの新価値を提案する目玉商品は会場で数量限定発売されている「明治 ザ・カカオ 琥珀ガナッシュ」(琥珀ガナッシュ)。
一般的に、チョコレートにクリームを混ぜて作られるガナッシュは、クリームを混ぜている分、水分を多く含むため日持ちがせず要冷蔵であるのに対し、「琥珀ガナッシュ」は常温で日持ちがするように仕立てられている。
「メーカーでは、要冷蔵や賞味期限がすごく短い商品は取り扱いが難しく、スーパーやコンビニなど一般の売場で買えるガナッシュを作りたいと考えた」という。
この考えを具現化するために採用したのが特許製法となる「生ねり製法」。
「チョコレートと生チョコレートの中間の水分領域となる。この領域では通常、ボソボソとなり(チョコとクリームが)分離してしまうが、生ねり製法で水分量を抑えながら強い力で練り上げることで分離せず滑らかで柔らかいガナッシュができた」と胸を張る。
水分量を抑えた分、チョコレートよりも柔らかく、生チョコレートよりも濃密な味わいを実現したという。
柔らかさでは、常温のトリュフチョコレートがコンビニなどで売られる中、差別化を後押しすべく、もう1つの独自技術として用いたのが「ソフトコーティング技術」。これによりチョコレートで琥珀糖のような“外側はしゃりっと中はぷるんとした寒天の食感”を実現した。
「琥珀糖のような食感のコントラストのあるものをガナッシュでできないか、というところから開発をスタートした。当社にはソフト食感グミ『ポイフル』があり、このシャリっとしたコーティング技術はチョコレートには使わないが、今回組み合わせて、外はシャリ、中は柔らかいという新食感のガナッシュの開発に漕ぎつけた」と語る。

同商品は、今回のイベントに先立って開催された「サロン・デュ・ショコラ2025」でも販売されたところ好評を博した。
「想定以上に売れてしまったため、後半は1日の販売数量を限定し、連日、お昼すぎに完売した」と振り返る。
今後は、スーパーやコンビニでの販売を視野に入れるが量販化のハードルは高いという。
「特殊な製品のため、作るのが難しく、量産化に向けていろいろ改善していかなければいけない」と述べる。

会場では「ブランドとして、カカオを様々な形で楽しんでいただきたい」との考えのもと、全国9店舗の和・洋菓子店とコラボレーションした商品なども販売されている。
「明治 ザ・カカオ」からは「カカオの果汁チョコレート」「メキシコホワイトカカオ」「同<ひとくちテリーヌ仕立て>」などもラインアップ。
「カカオの果汁チョコレート」は、カカオポッドと呼ばれる楕円形のカカオの実を割ると出てくる白い果実(パルプ)を絞った果汁を使用したチョコレート菓子。小売店では昨年10月に発売開始し、今春にも発売を予定している。
「メキシコホワイトカカオ」と「同<ひとくちテリーヌ仕立て>」はMCSのサポート国・メキシコ産の希少なホワイトカカオを使用。「同<ひとくちテリーヌ仕立て>」にも、生ねり製法を採用して「とにかく濃密」と胸を張る。
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