尿を用いて栄養状態を90秒で測定できるサービス「Vivoo(ビブー)」 大塚製薬がビボセンス社と共同で開始

 大塚製薬は9月2日、ビボセンス社と共同で、尿を用いて手軽に栄養状態を測定できる栄養モニタリングサービス「Vivoo(ビブー)」を開始して大塚グループの栄養事業を推進していく。

 8月26日、メディア発表会に登壇した大塚製薬の井上眞社長は「(大塚グループの栄養事業に)『ビブー』を加えることで一層充実した活動ができるものと考えている。日本をはじめ多くの国々が栄養不良の二重負荷に直面している」と語る。

 栄養不良の二重負荷とは、低栄養と過栄養が併存する状態を意味する。

 「過体重や肥満で悩まれる人(過栄養)がいる一方で、ダイエットによるやせの状態(低栄養)がある。中年期に過栄養だった人が老年期にはフレイルなどに陥ってしまうのは代表的な例。こうした課題において自身の食生活や栄養状態を知るきっかけになる『ビブー』はとても意味のあるサービス」と胸を張る。

大塚製薬の井上眞社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
大塚製薬の井上眞社長

 「ビブー」は、ストリップと称する試験紙のカラフルなボックス部分に尿(中間尿)を1~2秒かけて90秒待ち、変色したボックス部分を専用アプリで読み込むだけで結果が分かる。

 ニュートラシューティカルズ(NC)事業部の金澤慎太郎氏は「『ビブー』の最大の特長は、その場ですぐに結果がわかる点にある」と語る。
「ビブー」で測定できる項目は以下の6つ。
 ――水分レベル
 ――食塩摂取量
 ――肉・野菜のバランス
 ――ビタミンC
 ――骨の健康にかかわるミネラル
 ――酸化ストレス

 6項目は、日々の食生活による栄養状態をモニタリングすることを目的に設定された。

 「6項目だけで栄養状態全体が分かるものではなく、本来であれば6項目に加えて、摂取カロリーや、それに応じた運動量の部分などもう少し包括的に栄養を見ていかなければいけないが、自分自身で自らの栄養状態を知るということは、健康になる上で非常に大きなきっかけになると考えている」と説明する。

スマホに表示されるテスト結果 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
スマホに表示されるテスト結果

 テストは、過去数日間(1日~3日)の栄養状態が反映される。

 10点満点のスコアで評価し、ユーザー全体の平均スコア(男女別)との比較ができる。過不足などはバーチャートで可視化され、6つの測定項目の結果と生活習慣の情報をもとに総合スコアが算出される。

 テスト結果にあわせて、パーソナライズされたアドバイスも提供される。アドバイスは日本スポーツ栄養協会が監修し具体的な行動変容につながるようなアドバイスを提供する。

 「アドバイスや、ユーザーの皆様が知りたい健康・栄養・運動・ライフスタイルなどの記事コンテンツを今後継続的に追加していく」という。

 使い方の推奨としては、起床後最初の尿か2回目の尿を使用する。テストを行う頻度は週1回。同じ時間帯でテストを受け、過去の自分と今の自分を客観的に比較することもできる。

 生理中でも利用可能。赤血球の数が多いと結果に影響を与える可能性があるため、出始めの尿ではなく、中間尿を用いることが推奨される。

 飲酒後のテストは、結果に影響を与える可能性があるため推奨されていない。

左からビボセンス社のミライ・タイフンCEO、大塚製薬の金澤慎太郎氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左からビボセンス社のミライ・タイフンCEO、大塚製薬の金澤慎太郎氏

 正確性は、人工的に作った尿を用いて画像処理精度(色識別)を検証する試験を2618回実施したところ、2292回(87%)で正しい測定結果と完全に一致した。
 正しい測定結果±1の差を許容範囲とすると一致率は2608回(99%以上)となった。

 販売チャネルは、大塚製薬の公式通販「オオツカ・プラスワン」。都度購入で4本入り税込み2600円。都度購入よりも割安な定期お届け便も用意している。

 ビボセンス社は2017年に設立。米国、カナダ、英国、豪州をはじめ100か国以上で「ビブー」を展開し25万人のユーザーを抱える。

 ビボセンス社のミライ・タイフンCEOは「世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造するという企業理念を掲げトータルヘルスケアのリーディングカンパニーである大塚製薬とパートナーシップを結べることを嬉しく思っている」と述べ、日本での展開に期待を寄せる

 大塚製薬は「ポカリスエット」や「カロリーメイト」などを展開するNC事業とのシナジーを見込む。

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