業界トップクラスの営業利益率を達成した西友の次の一手は?

 西友は、業界トップクラスの営業利益率を維持しながら、今後はデジタルマーケティングの強化で売上の拡大にも挑戦する。

 大久保恒夫社長は6月12日、流通報道記者会との懇談会で講演し「23年度までに中期経営計画で掲げた営業利益率5%以上を達成した。商品力と販売力の強化で価値を創造し、最適化・効率化による生産性の向上も図っている。(自身が社長に就任した21年以降)営業利益は22年度242億円(前期比約49%増)、23年度315億円(同約30%増)と大幅に増えている」と手応えを語った。

 冒頭、大久保社長は一貫して携わってきた小売業について「業界の社会的評価をもっと上げたい」との想いを披露。

 「スーパーはお客様に喜んでいただくことが使命で、誇りを持って働ける仕事だと思っている。従業員も真面目で一生懸命な方が多い。ただし世間で小売業の評価は決して高くないと感じる。その根本的な理由は営業利益が少ないことだ。一般的に労働条件が悪く、社会貢献活動を行っている企業は一部にとどまる」とし、「当社は価値創造によってお客様の豊かな食生活に貢献することを目指す。営業利益をしっかりと上げ、業界の変革をリードしていきたい」などと話した。

西友の大久保恒夫社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
西友の大久保恒夫社長

 中期経営計画(21~25年度)で掲げた「食品スーパーで№1」の達成に向け、商品力と販売力の強化に注力している。

 プライベートブランド(PB)をさらに拡充するため、販売好調な「みなさまのお墨付き」はより付加価値の高い商品開発を追求する。

 「一部コンセプトにあわない商品があったため改廃を進めている。アイテム数は一時的に減るかもしれないが、これまで以上に充実したラインアップを目指す」(大久保社長)。

 生鮮食品のPB「食の幸」は185品目まで拡大。カテゴリー内の売上構成比は15%に高まった。

 総菜は「潜在ニーズが大きい」とし、セントラルキッチン(CK)を強化する。

 「店内調理は一部で必要だが、生産性の高いCKで粗利を上げていくことが重要。工場で専門店のようなおいしさも追求できる。これから大改革を行っていく」。

 24年度は「前期で利益水準の目標はクリアできたので、これをキープしながら今後は売上の拡大を図る」との方針。

 核になるのはデジタルマーケティングの強化だ。
 近年とくに注力してきたが、様々な実験を繰り返す中で購買行動の変化や投資効率の改善策が見えつつあるという。

 大久保社長は「例えば店舗によって顧客の性別・年代が大きく異なり、品ぞろえや売り場づくりに対応の余地がある。購入される商品(生鮮・総菜など)でお客様をセグメント化して分析し、調達や開発にも活かせる。集客力を上げるため、購買頻度の高い商品(たまご、牛乳、食パンなど)の最適な販売価格もデータで検証中」などの事例を紹介した。

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