カンロ、過去最高益を更新 飴とグミの売上拡大で

 カンロは8日、前期(12月期)業績を発表し、全段階利益で過去最高を更新したことを明らかにした。

 前期業績は、売上高15.5%増の290億1500万円、営業利益75.3%増の33億8800万円、経常利益71.5%増の34億3200万円、当期純利益82.9%増の24億6200万円を記録した。

 過去最高の増益要因は売上拡大にある。

 この日発表会に臨んだ阿部一博取締役常務執行役員CFOは「トップライン(売上高)と工場の稼働率が上がり、生産効率が向上したことが非常に大きい。原材料価格の上昇は継続し、変動比率は増加しているが、大幅な生産増加による限界利益の増加で吸収し大幅な増益を実現した」と説明する。

8日発表したカンロの村田哲也社長(左)と阿部一博取締役常務執行役員CFO - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
8日発表したカンロの村田哲也社長(左)と阿部一博取締役常務執行役員CFO

 売上高はここ数年、「中期経営計画2024」策定時の想定を超えて、大幅に伸びているという。

 前期の増収は、人員増強を含めて生産体制を整備したことで飴とグミが需要増に対応したことに加えて価格改定が後押した。

 飴の前期売上高は、のど飴ブランドが牽引して12.1%増の150億4600万円。
 のど飴は、新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大以降、高まる需要を取り込んだほか、花粉飛散量の拡大やマスクレスによるセルフケア需要の高まりを受け大幅に増加した。

 グミの前期売上高21.2%増の132億9300万円。
 昨年発売20周年を迎えた主力ブランドの「ピュレグミ」がTVCMを展開するなどして29.4%増を記録。「カンデミーナグミ」はハード系グミのニーズに対応して15.5%増となった。

 なお、同社によるとグミ市場は拡大の一途を辿る一方、特に男性の喫食率が半分に満たないことから、今後も開拓余地を見込む。

 村田哲也社長は「『ピュレグミ』『カンデミーナグミ』が一番の大きな柱。『マロッシュ』にもチャンスがあり、このような主力ブランドを継続的に投資して育てていく」と意欲をのぞかせる。