「パコス」の重要性

「パコス」という造語をご存知だろうか。おそらく大半の読者は初耳と推察するが、パフォーマンスコストの略で「コスパ(=コストパフォーマンス)」の対義語。農業の未来を語るパネルディスカッションで元横浜市長の中田宏参議院議員が重要性を力説した。

▼日本ではこれまで供給側・需要側ともコスパを追求し過ぎたと指摘し「手間ひまかけたことは正当な対価としてコストオンすべき。国際的にみても良い製品やサービスであれば高く売れる市場に変えていかなければならない」。

▼新しい論調とは言えないまでも、意識改革が必要との主張は頷ける。また福島の一部で農地の大規模化やスマート農業導入が進んでいる事例を紹介。「後継者不足だからこそ市場に空白が生まれ、やる気を持った若い人にチャンスがある」。

▼農業のみならず、食品業界も特に中小のプレイヤーは環境の激変で岐路に立っている。足元では急速なコスト上昇に見舞われ、近未来は国内で加速する人口減が死活問題だ。とはいえ「ピンチをチャンスに」。使い古された言葉だが、覚悟を希望に変えた企業が勝ち残るのではなかろうか。

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