「ホトケノザ」の花酵母を使用した日本酒 産学連携で共同開発 東洋大学×佐藤酒造店

東洋大学(東京都文京区、矢口悦子学長)は、産学連携で開発した新しいタイプの日本酒「越生梅林(おごせばいりん)エスティ」を発売開始した。同大学の卒業生・佐藤徳哉氏が専務を務める佐藤酒造店(埼玉県越生市、佐藤忠男代表)と共同開発したもの。数量限定で、2月23日より同酒店の店頭やネット通販などで取り扱っている。

東洋大学理工学部・峯岸宏明准教授と佐藤酒造店は20年から共同開発に着手。花から分離された酵母菌に着目し、同大学川越キャンパスに自生する200種類以上の花・木を収集。それらに付着する酵母を使ったアルコール耐性試験の結果、「ホトケノザ」から分離した酵母が酒醸造に適していることを発見したという。

同酵母菌はSTY(エスティ)と命名。商品名にも反映し、「Sato×Toyo」などの思いを込めた。峯岸准教授は「多少酸味がありバランスが良い。杜氏からは、これまでにない芳香との評価をいただいた。花酵母を使用しているためと考えられる」としている。

佐藤専務は「これまでの弊社の酒質にないお酒に仕上がった。お燗より冷酒に向いており、様々な料理とペアリングして美味しく飲んでいただければ」と期待を込めた。